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鴨志田流着こなし術 Vol.3
小物から考えるスーツの装い

Wednesday, November 20th, 2019

スーツのコーディネイションにおいてまずスーツを決めるのは当然のことだが、

たまにはチーフ、ベルト、ソックスから考えると新しいスタイリングが見えてきます、という提案。

 

photography yasutoshi sawano text yuko fujita

 

 

鴨志田康人/Yasuto Kamoshita

1957 年生まれ。ビームスを経てユナイテッドアローズの設立に参画。2004年からクリエイティブディレクターを務め、昨年クリエイティブ アドバイザーに就任。07年、自身のブランド「カモシタ ユナイテッドアローズ」を始動。2019FWより、ポール・スチュアートのクリエイティブ ディレクターも務める。

 

 

シンプルな中に光る小物使いのさりげない個性

リヴェラーノ&リヴェラーノのウーステッドのグレンプレイドによるダブルブレステッドスーツに、シャルベのシャツ、ニッキーのニットタイ、マッシモ ピオンボのアリゲーターベルト、ヴィンテージのポケットチーフ、それにシュナイダーブーツのヴィンテージフルブローグという装い。スーツ、シャツ、ネクタイはシンプルだが、モーブ色のニットタイ、プリントチーフやアリゲーターベルト、ソックスの柄使いなど、ちょっとしたニュアンスで鴨志田氏らしい個性を生み出している。それだけで装いの上級者感が格段に増すのだ。

ニットタイ¥10,000 NickyUnited Arrows Roppongi Hills(ユナイテッドアローズ 六本木ヒルズ店 TEL.03-5772-5501)

スーツ、シャツ、チーフ、ベルト、時計、ソックス、シューズ property of Yasuto Kamoshita

 

 

 

 コーディネイト術については各誌いろいろやっているが、テーラードにおいては、それはVゾーンの話に限られている。

 

「皆さん、シャツとタイの合わせは上手になられましたけど、ポケットチーフ、ベルト、ソックスをおろそかにしていませんか? チーフは白、ソックスはネイビーに決めている人って多いと思うんです。そこにもう少し気を遣って色や柄にトライしてみると、コーディネイションのバリエーションが豊かになり、より上級者のスタイリングができるんです」と鴨志田氏。

 

「単純に色をまとめてばらつかせないようにすれば、さほど難しいことではありません。あとは、パターンが多いほどカジュアルに、無地になるほどフォーマルになるのは基本です。柄が入れば遊びが生まれてくるわけです。要はスーツに味つけする役割なんです。ハンバーグのお皿にたとえると、チーフ、ベルト、ソックスに関しては、皆さん添え物のパセリくらいにしか考えていませんが、これらの要素って、実は味を決定づけるデミグラスソースのようなものなんですよね。おろし醬油をかければ、全然違う味になるわけで(笑)。そこに興味をもつと、スーツを着るのがさらに楽しくなるはずです」

 

 

パステルカラーは色味を揃えると美しい

シルクウールのシャルベのネクタイで、柔らかい陽射しの温かい冬をイメージ。RLCリージェントのリボンベルト、ポール・スチュアートのソックス、ヴィンテージのチーフを含め、パステル調で色をまとめているのが合わせのコツ。「大切なのはテイストで、例えばグレイのフランネルスーツに合わせると、素材のハードなイメージがふんわり柔らぐんです」

ソックス¥3,500 Paul Stuart(SANYO SHOKAI カスタマーサポート TEL.0120-340-460) タイ、チーフ、ベルト property of Yasuto Kamoshita

 

 

パターンを多用しても、色の軸は揃えて

ポール・スチュアートのタイ、ヴィンテージのベルト、フラテッリ ルイージのチーフで柄をこっくり。「パターンを多用しているので、カジュアルなイメージの合わせです。色の匂いは秋ですよね。自分だったら茶のツイーディなスーツ、ソラーロ、あるいはベージュのコットンスーツなどと合わせたいですね。これをビジネスに、というのではありません(笑)」

タイ¥21,000 Paul Stuart (SANYO SHOKAI カスタマーサポート TEL.0120-340-460)チーフ¥6,500 Fratelli LuigiUnited Arrows Roppongi Hills(ユナイテッドアローズ 六本木ヒルズ店 TEL.03-5772-5501)

ベルト、ソックス property of Yasuto Kamoshita

 

 

フレンチトラッド的に小さな面積に柄を挟む

ヴァレンティノのシルクウールタイ、シモノゴダールのヌバックベルト、エトロのシルクチーフ、ブレッシャーニのコットンソックスという合わせ。「これはリネンスーツに合わせたい夏の装いです。ソックスは基本的には無地なんですけど、でもヒネりたくなるので、こういう細かな柄ものをよく愛用しています。フレンチトラッドっぽく、ちょっとだけ柄を入れるみたいな感じです」

タイ、ベルト、チーフ、ソックス property of Yasuto Kamoshita

 

 

ラベンダー×イエローのクラシックな世界

ドレイクスのシルクチーフ、ドゥーニー&バークのリボンベルトのラベンダー&イエローの色合わせがポイント。「クラシックの世界では、この際どい感じは英国的ですが、私はリボンベルトでアメリカンクラシックをイメージしました。ツイードのジャケットにチノパンだとベタなので、スーツを合わせます。茶系やネイビー、茶味のあるグレイあたりがいいですね」

タイ¥8,800 DistrictDistrict United Arrows(ディストリクト ユナイテッドアローズ TEL.03-5464-2715)

 


 

<本連載の記事は以下より>

Vol.1 春の装いは巻き物でアクセントを

Vol.2 ジーンズは程よいリラックス感で楽しむ

Vol.3 小物から考えるスーツの装い