HOTELS DELUXE Vol.07

ホテル連載 第7回:ルームサービス限定の一皿 其ノ二

August 2020

ラグジュアリーホテルには、多彩なダイニングが数多くある一方で「インルームダイニング」、つまり客室でしかありつけない料理も実は存在する。プライベート空間でゆっくり堪能したい“ルームサービス限定”のひと皿を紹介する、第二弾。

(※提供については各ホテルまでお問い合わせください)

 

 

 

<パレスホテル東京>

個性溢れるインルーム限定メニューは、人気が高まっている痺れと辛みのバランスがやみつきになる汁なし鍋と、海外のゲストから好評の日本食の2品。

 

上:「麻辣香鍋(マーラーシャングオ) 鶏肉・海鮮・野菜の四川風煮込み 土鍋仕立て チャーハン、ザーサイ」¥5,600(税・サービス料別)。提供時間:11:30 〜14:30 / 17:30〜21:00。旨味が詰まったソースの味わいを生かすため、ついてくるのは白米ではなく、卵とネギを使ったシンプルなチャーハン。その絶妙なバランスにノックアウト。下:「国産牛リブロースのステーキ重/照り焼きソース、味噌汁、香の物」¥4,300(税・サービス料別)。提供時間:11:00 〜22:00。

 

 

 皇居外苑の開放的な景色が目の前に広がる「パレスホテル東京」では、中国料理「琥珀宮」とオールデイダイニング「グランド キッチン」のそれぞれが、1種のルームサービス限定料理を提供している。

 

 まず、日本ではまだ数軒でしか味わうことのできない「麻辣香鍋(マーラーシャングオ)」は、豆板醬や自家製麻辣醬を使った味付けで、辛味と山椒の痺れ感がたまらないクセになるひと皿。海鮮や鶏肉、旬の野菜を炒めたあと、仕上げに熱々の土鍋に紹興酒が加えられ、旨味をギュッと閉じ込めた状態で客室まで運ばれる。コクのあるソースとシンプルな卵チャーハンを合わせて食べすすめれば口福が止まらない。

 

 そして、海外からのゲストから特に人気なのが「国産牛リブロースのステーキ重」。リブロースの質のよさを生かす、程よい厚さにカットされたステーキは、柔らかくジューシーで、濃厚な旨味が特徴の脂身まで美味しくいただける。味付けは薄めで、照り焼きソースが別添えとなるため、好みで調節できるのが嬉しい。

 

 

パレスホテル東京

TEL. 03-3211-5218

www.palacehoteltokyo.com

 

 

 

 

<ザ・キャピトルホテル 東急>

今年10周年を迎える同ホテルには、創業時から変わらずゲストに愛されるこだわりのひと皿がある。

 

「国産牛サーロインステーキ丼 スープ、サラダとともに」¥5,500(税・サービス料別)提供時間:11:00 〜22:00。彩り豊かなサラダやピクルス、パーコーメンのブイヨンを使用した温かいスープとともに客室に届けられる。

 

 

 客室からも赤坂・日枝神社の豊かな緑を望める「ザ・キャピトルホテル 東急」のインルーム限定メニューは「ステーキ丼」。国産牛のサーロインを贅沢に堪能できるこのひと皿には主役の肉を引き立てる工夫がちりばめられている。

 

 目にも美しいミディアムレアに焼き上げられたステーキの味付けに使われているのは、旧キャピトル時代から受け継がれる和風タレ。醬油ベースのすっきりとした味わいが肉の旨味を際立てている。

 

 さらに、ご飯には刻んだ漬物がアクセントとして混ぜられており、肉の下には香り豊かな海苔やソテーしたキノコや玉ねぎも。細切りの大葉や白髪ネギと合わさると、ジューシーな厚切り肉とちょうどいい塩梅になり、さっぱりといただけるというわけだ。自家製ピクルスやサラダだけでなく、かの名物パーコーメンのブイヨンを使ったスープまでついてくる。同ホテルの真髄が窺える、こだわりのステーキ丼だ。

 

 

ザ・キャピトルホテル 東急

TEL. 03-3503-0109(代)

www.tokyuhotels.co.jp/capitol-h/index.html

 

 

 

 

<セルリアンタワー東急ホテル>

肉のさまざまな部位を食べ比べられるひと皿は、ルームサービス人気トップに入る絶品。

 

「鶏照り焼き重」¥2,500(税・サービス料別)。提供時間:11:00 〜21:00。ネギやししとう、お吸い物など、脇役たちの絶妙なバランスも完璧。晴れた日には富士山を望める客室をリクエストして、ゆっくりと味わいたい。

 

 

 渋谷・桜丘で、日々進化が止まることのない街を見守り続けてきた「セルリアンタワー東急ホテル」で、「チーズバーガー」や「ビーフカレー」と並びルームサービス人気トップ3に入るこちらの「鶏照り焼き重」は、宗教的な問題を考慮し、なるべく多くのゲストに“日本の味”を食べてもらえるようにと考えられたメニューで、他ではなかなかお目にかかれない一品だ。

 

 胸肉やもも肉だけでなく、ささみと砂肝の4部位を堪能でき、付け合わせの白髪ネギや万能ネギ、山椒や七味を加え好みの風味で楽しめる。一度グリルで焼き色をつけたあとに、フライパンでソースを絡めるという、ラグジュアリーホテルならではのこだわりも。このひと手間が、“焼き鳥”らしい香ばしさを引き立て、ぐっと食欲をそそるのだろう。

 

 

セルリアンタワー東急ホテル

TEL. 03-3476-3000

www.tokyuhotels.co.jp/cerulean-h/index.html

 

 

 

<本連載の記事は以下より>

Vol.01 ホテルでクルマを愉しむ

Vol.02 高層階のプールを安息地にする

Vol.03 ホテルの名物料理

Vol.04 素敵なテラスのある客室

Vol.05 最新ルーフトップバー

Vol.06 ルームサービス限定の一皿 其ノ一

Vol.07 ルームサービス限定の一皿 其ノ二

Vol.08 バーバーで男を磨く

Vol.09 名物手土産 -定番編-

Vol.10 名物手土産 -缶クッキー編-

Vol.11 名物手土産 -アロマ編-

Vol.12 ドライサウナがあるホテルのスパ

Vol.13 夏限定の麺料理

 

本記事はISSUE35(2020年7月27日発売号)にて掲載されたものです。
価格等が変更になっている場合がございます。あらかじめご了承ください。