HERMÈS FOR EXECUTIVE

エグゼクティブのためのエルメス

November 2020

photography jun udagawa

styling akihiro shikata

 

 

 

 エルメスといえば、どことなくリラックスしたイメージがあるが、フランスの上流階級に長く愛されてきたブランド故、当然エグゼクティブのためのアイテムも充実している。特筆すべきは、やはりそのクオリティであろう。

 

 例えば、スーツ。今回ご紹介しているのはスーパー170’sの生地が使われたモデルだが、中にはスーパー210’sのものもあるという。スーパー210’sの生地を使った既製服を展開しているブランドは、世界に数えるほどしかないと思うが、エルメスはそのひとつだ。

 

 

最高級ポロサス(スモールクロコダイル)が使われた書類ケース“ケリー・デペッシュ”。これだけのサイズで、美しく符が揃ったクロコは滅多にない。マットな質感が実に上品である。メンズ用として作られているカバンとしては、世界最高峰のひとつといえるだろう。W36×H29×D5cm ¥6,920,000 Hermès(エルメスジャポン Tel.03-3569-3300)

 

 

 

 それから主軸商品のひとつでもあるネクタイ。メンズシルク部門の本拠地はリヨンにあり、大勢の熟練した職人が働いている。そのプリントは精緻を極め、1色ごとに専用のスクリーンが使われており、デザインによっては1本のタイのための製版だけで何百時間もかかるという。

 

 最後にレザー。その白眉はクロコダイルだ。この見事な符を持つポロサスをご覧いただきたい。世界中の最上級のクロコを見ても、これほどのクオリティを備えたものに出会うことは滅多にないだろう。

 

 しかし、間違いなく世界一にもかかわらず、“これ見よがし”にならないところが流石だ。フランスでは、エグゼクティブも“ノンシャラン”を好むのだ。

 

 

左上:シルクツイルのタイ。最新技術と職人技を駆使した、精緻なプリントや織模様が美しい。エルメスの象徴である馬をかたどったものや、頭文字であるHをモチーフとしたパターンが多く見られる。小剣部分にワンポイントの刺繍が施されたモデルも。プリントタイ各¥24,000 右上:スーパー170’sの生地が奢られた2つボタンスーツ。その素材感はシルクのように滑らかだ。エレガントで上品なデザインは、フランスのブランドならでは。¥623,000 コットンポプリンのホワイトシャツ ¥65,000 シルクツイルのタイ ¥24,000 左下:新しいバックルデザインを採用したダブル・モンクストラップのシューズ ¥139,000 右下:バックルとベルトを自由に組み合わせることができるベルトキット。クロコダイル製レザーベルト。グロッシーなネイビーとマットのブルーが美しい。各¥493,000 ハンドメイドで製作され同じものはひとつとしてないデザインが彫り込まれたトゥアレグ・シルバーのバックル各¥155,000 all by Hermès(エルメスジャポン Tel.03-3569-3300)

 

 

本記事はIssue37(2020年11月25日発売号)にて掲載されたものです。
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