GLAMDAY STYLE HOTEL & RESORT OKINAWA YOMITAN

“大人のための空間”が追求された
KPGが手がける最新ホテル

October 2019

 ホテルの開業が相次ぐ日本列島。国内外を問わずさまざまな企業が新ホテルの開業に乗り出す中、それぞれのホテルブランドにおいて明確なビジョンを掲げ、次々と新しいホテルを手がける日本の会社がある。カトープレジャーグループ(KPG)だ。「熱海 ふふ」や「ふふ 河口湖」、大前研一氏がオーナーの「監修した「ATAMI せかいえ」や隈研吾氏が建築を手がけた「ATAMI 海峯楼」など、その多くは角界のエグゼクティブたちが愛用しているホテルばかり。日本各地の魅力が最大限に活かされたスモールラグジュアリーホテルは、今やKPGが最も得意とするジャンルといえよう。

 

 同時に同社が力をそそいでいるのが、分譲ホテル(いわゆるオーナーシップ制ホテル)の開発だ。開業前に数回に分けて販売が行われるが、開業を待たずに完売してしまう人気ぶり。既存のホテルとしては、沖縄の恩納村に位置する「カフーリゾート」が挙げられる。現在はホテル棟・コンド棟・アネックス棟の計3棟の構成だが、ゲストからの人気の声を受け、別館の建設が始まっているほどだ。

 

 7月20日に開業を迎えた「グランディスタイル 沖縄 読谷 ホテル&リゾート」は、カフーリゾートに続く分譲ホテルとして誕生。その土地の良さを生かしつつ、エグゼクティブたちが求めるものを徹底的に凝縮した大人のためのホテルだ。分譲物件としては、全室がすでに完売。が、こちらも所有していなくても宿泊が可能であるため、その最新施設の魅力をたっぷり紹介させていただく。次なる投資物件の参考にするのもいいだろう。

 

 

 カフーリゾートが、どちらかというとファミリー向けのプロパティであるのに対し、グランディスタイル沖縄読谷は旅を知り尽くした大人のためのホテル。コンセプトは「大人に喜んでもらうリゾート」で、16歳未満は宿泊することができない。ホテルが位置する読谷村(よみたんそん)までは、那覇空港からクルマを走らせて1時間弱で到着する。高速道路を使うことなくたどり着くことができ、アメリカンヴィレッジも通り道。ホテルへの道すがら、気になるスポットに立ち寄りやすいのも嬉しい。

 

 さとうきび畑の間を通り抜け、青い海が近づいてきたら到着だ。まずゲストを迎えるのは、木のぬくもりが感じられる落ち着いた空間のロビー。入ってすぐ目に入る、ブランコ式のディスプレイを見れば、大人の空間が追求されているということが分かるだろう(小さな子供がくるリゾートであったら、危ないという理由で却下されてしまうに違いない)。

 

 

ゲストを迎えるエントランス。左手に行くとロビー、右手に行くと客室だ。

 

 

 客室は1階から4階に位置しており、全54室からなる。自身の家のようにくつろげるようにと、入り口で靴を脱ぐ仕様で、いずれの部屋にもドレッサーと書斎が設えられている。部屋でのアペリティーボや、夜のバータイムを楽しめるように、全客室に氷用の冷凍庫が配されているだけでなく、隠されたシンクも。バルコニーには大きなソファと机も配されているため、ゆっくりと横たわって読書や日焼けをしながら、好きなドリンクを楽しむのもいい。部屋の中にいても十分に楽しめるような工夫が随所に施されているのだ。

 

 

「スーペリアツイン」1泊1室2名¥60,000〜。グレイッシュな色味を基調とした、落ち着く空間だ。

「プレミアムコーナージュニアスイート」は、淡いブルーを基調とした室内。絶妙な色味が安らぎをもたらしてくれる。

「プレミアムセントラルスイート」。目の前に広がるのは、コバルトブルーの海。大きな窓は、額縁のように美しい景色を切り取ってくれる。

 

 

 客室に備え付けられているコーヒーやウコン入りさんぴん茶においても、オリジナルブレンドというこだわりよう。ティーバッグのコーヒーは、沖縄市に店を構える「豆ポレポレ」のもの。イタリアで開かれた焙煎技術を競うコーヒーの世界大会「ワールド コーヒー ロースティング チャンピオンシップ2018」に日本代表で出場し2位に輝いた仲村氏によるブランドである。最上ランクの部屋では、自分たちでドリップコーヒーを楽しめるように、コーヒー豆、コーヒーミル、サーバーまで全てが揃っている。

 

 アメニティや電化製品にもこだわりが詰まっている。アメニティにはオーストラリアのオーガニックブランド「Eloura」を採用(最上ランクの9室のみ)。電化製品は、全室に空気清浄機やBluetoothスピーカー、電気ケトルや最新のドライヤーが配されている。細部にわたって最上であることが徹底的に追求されているのだ。

 

 バー&レストラン「TASTE」とバー「ZANPA」、カフェラウンジ「CHILLAX」の計3つのダイニングからも、考え抜かれたコンセプトが窺える。沖縄の食材をふんだんに使用した、お酒に合うオリジナルメニューを堪能できる「TASTE」では、沖縄料理はもちろん、韓国料理やタイ料理にインスパイアされた品々が揃う。コースではなくアラカルトで用意されていることや、ボトルで注文したワインやウイスキーは、客室だけでなく、他のダイングにも持っていくことができる、自由なスタイルが嬉しい。

 

バー&レストラン「TASTE」。

 

 

 友人の邸宅を思わせる落ち着いた空間が広がるバー「ZANPA」では、地元のお酒「残波」の泡盛(同ホテルの近くに残波の酒蔵がある)をはじめ、各国のウイスキーやシャンパーニュ、多彩なカクテルが揃う。ふと懐かさを感じる一部のラインナップに、若き頃の思い出がよみがえる諸兄もいるかもしれない。大きな窓の外に広がる星空と、ゆらゆらと揺れる炎は、濃密なひと時を叶えてくれるだろう。

 

 プールサイドに位置する「CHILLAX」は、朝から夜のバータイムまで1日を通して楽しめる。軽食やドリンクを注文し、プールサイドで水に浸かりながら楽しめば、疲れた身体をリフレッシュできるだろう。波の形状にデザインされたアイコニックなプールは、プールに入っているゲスト同士の視線がぶつからないように考え抜かれたもの。こういった細やかな心遣いも嬉しい。

 

 夜には、また違った表情を見せてくれる。ムード溢れるライトアップにより、ぐっとロマンチックな雰囲気に。夜風を頬で感じ、ほのかな潮の香りを感じながら、大切な人とのかけがえのない時間を楽しみたい。

 

 

上:日中のプール。読谷の歴史と文化を感じる風景を臨みながら、日光を浴びてプールでゆっくり過ごしたい。広い空も独り占めしている気分に。下:夜になるとムーディな雰囲気に。西側に面しているため、夕焼けを望める特等席でもある。

 

 

 沖縄、そして、旅を知りつくした、成熟した大人のためのリゾートが誕生した。その贅沢な空間に身を置いて、ゆったり落ち着いた沖縄時間を存分に味わっていただきたい。

 

 今後も、2020年春にオープンする「ふふ 奈良」を皮切りに、1914(大正3)年に建築された「田母沢御用邸付属邸」跡地に建設される「ふふ 日光」、そして京都や強羅など、ますます国内に力を入れて、様々なホテルを手がけていくというカトープレジャーグループ。これからも彼らの動きに注目したい。

 

 

グランディスタイル 沖縄 読谷 ホテル&リゾート

沖縄県中頭郡読谷村字瀬名波571番1

TEL. 098-987-8300

https://glamdaystyle.jp/