DORIANI “Vicuna Knit”

なんだこれは!?の
ヴィキューナニット

January 2021

 

 

獣毛の最高峰ヴィキューナの、そのまた最高峰。その薄さゆえ、ジャケットの下に着てもよし、Tシャツと重ね着してもよし。実はコーディネイトの幅が広いところも魅力だ。双糸60番手のペルー産ヴィキューナ100%、名門紡績カリアッジ社製素材を使用。キャメルカラーもあり。¥550,000 Doriani / Ginza Hiko(銀座HIKO TEL.03-6264-4450)

 

 

 

 セレクトショップ銀座HIKOは、他に類を見ない最高級の品揃えで知られているが、またひとつ超弩級のアイテムが入荷した。

 

 イタリア、ドリアーニのヴィキューナニットである。ヴィキューナといえば、カシミアを凌ぐ、獣毛の最高峰。ペルーの山間に棲む、小さなラクダのような動物で、一時は乱獲により、絶滅の危機に追い込まれた。現在ではワシントン条約で手厚く保護され、毛を刈り取ることができる期間は、2年から3年に一度、その際も1頭からわずか250gしか採取できない。その希少性から“神の繊維”と称されている。

 

 しかもこの1着は、従来双糸28番手という厚みが一般的だったのを、その半分以下の双糸60番手で仕上げている。とにかく薄いのだ。光にかざすと向こう側が透けるほど。繊維自体が美しい光沢を放ち、その手触りはまるでシルクのようになめらかだ。

 

「ヴィキューナのニットなら、もう持っているよ」という目の肥えた顧客にこれを見せたところ、「なんだこれは!?」と驚いたそうだ。店主曰く「私どもも初めて目にするクオリティです」。同じく“最高級主義”を標榜するTHE RAKEが、手放しでおすすめできる逸品だ。

 

 

本記事は2020年3月25日発売号にて掲載されたものです。
価格等が変更になっている場合がございます。あらかじめご了承ください。

THE RAKE JAPAN EDITION  issue38