Camoshita UNITED ARROWS:ALWAYS ON TARGET

カモシタ ユナイテッドアローズ:THE RAKE通販に登場

October 2018

THE RAKEのウェブ通販に、カモシタ ユナイテッドアローズのコレクションが加わった。

オリジナル・アイビースタイルにインスパイアされた、魅力的なアイテムの数々を御覧いただきたい。

 

text ryan thompson

 

 

 

 もしあなたが日本で過ごしたことがあったり、日本のスタイルに対して、ちょっとでも興味を持ったことがあったなら、日本人が興味を持ったファッションに対して、全身全霊であたることを知っているだろう。おっかなびっくりで様子をみたりすることなく、ただ全力であたるのだ。

 

 例えばデニムである。もし最上のセルヴィッチ・デニムを買いたければ、デニムの故郷であるアメリカなんぞへ行ってはいけない。行くべきは、東京の代官山だ。

 

 それから、イタリアの通好みのテイラーリング・ブランドを、一堂に会したショップで買い物をしたければ、まずイタリアへ行こうとは思わないことだ。行くべきは、神宮前のセレクトショップである。三つ編みやナースのコスチュームをまとって、マンガに出てくるキャラクターのような格好をしたければ、渋谷こそ理想的な場所だ。

 

 要するに、日本人は中途半端が嫌いなのだ。ユナイテッドアローズの設立者のひとりであり、クリエイティブ・ディレクターであった鴨志田康人氏も同様である。鴨志田氏は、インスタグラムなどで最も人気の日本人のひとりだが、それは彼が派手派手しく装っていたり、しょっちゅう投稿をしているからではない。事実、鴨志田“さん”は、エレガントなアイビースタイルの象徴なのだ。1989年に友人の重松理氏や栗野宏文氏とユナイテッドアローズを創設して以来、彼は日本のトラディショナル・シーンを牽引して来た。

 

 

 彼のパーソナル・スタイルは、素材的にもシルエット的にも、1950年代後半のアイビーリーグ、ハーバードやプリンストン、イェール、ブラウン大学などのキャンパス・スタイルを模している。それらは落ち着いた色合いを特徴とし、1920年代のスポーツウェアを範とするスタイルである。

 

 2007年、鴨志田氏は、ユナイテッドアローズのもとで、自分自身の名前を冠したレーベルをスタートさせた。Camoshita(カモシタ)である。彼が最も得意とするアイビースタイルを具現化させたコレクションだ。

 

 アイビーリーグのスタイルは、ひとくくりに“プレッピー”とされることが多い。しかしこれは間違いだ。プレッピーは、オリジナルのアイビーリーグのスタイルから派生したものだ。最も大きな違いは、アーガイル・チェックなど、派手で大胆な色柄が使われるところだ。

 

 鴨志田氏がクリエイトしているスタイルは、よりオリジナル・アイビーに近いもので、抑えめの色調が特徴である。モスグリーン、マスタードイエロー、ブラウン、グレイ、クリームなど、現代のワードローブに取り入れやすい色ばかりが使われている。

 

 今シーズン、THE RAKEからリリースされたカモシタの2018秋冬コレクションは、アーシーな色目とさまざまな表情を持った素材使いが特徴である。表面感のあるドニゴール・ツィードのピークトラペルのジャケットは、イタリア風から進化した、日本独自のソフトな仕立てで作られている。デニムシャツやロールネックニットの上から羽織れば、スマートな秋冬スタイルの完成だ。

 

 

 カモシタの素晴らしいプリーツ・トラウザーズは、絶対に秋冬のヘビーローテーション・アイテムとなるだろう。スマートにカットされた、フロント・ワンプリーツのシルエットは、どんなアイテムとも、どんな靴とも相性がいいだろう。ロールアップして、ゴツめのハイキング・ブーツと合わせてもいいし、レザースニーカーやぽってりとしたレザーシューズにも似合う。

 

 最後は、タバコ色のダスター・コートだ。19世紀、乗馬をするときに、服を泥やホコリから守るために着用したコートで、ジャケットやスーツの上から羽織るのに最適だ。機能美溢れる一着は、週末にニットやジーンズと合わせてもいいだろう。