August 2018

TIME STYLIST

お洒落の天才マーク・チョーという現象

text yoshimi hasegawa photography ken wu@lightseed studio

GRAND SEIKO / グランドセイコー1960年、世界最高級の腕時計作りを目指しセイコーが設立。1999年開発のスプリングドライブは機械式時計とクオーツ式時計の技術を融合した第三のムーブメントとしてその技術を世界に知らしめた。

 彼がレストランでのビジネスランチというシーンに合わせて選んだのも1960年代に製造されたグランドセイコーだ。

「目につくような派手なデザインではないが、ダイヤルやハンドルのデザインはパテック フィリップのカラトラバから、ケースはオメガから影響を受けていて、全体が時計として美しい。ドレスウォッチとして常に愛用しているお気に入りのひとつなんだ。このグランドセイコー 3180はセイコー、さらに日本の時計製造業にとって分岐点となったモデル。スイス製が最高峰だった時代に同レベルの技術力を証明した。セイコーに限らず、日本のものづくりを評価しているのは自分の労力を厭わず、いかにクオリティを上げられるかを考えているところ。この時計はそのいい例だと思う」

 気になった時計があると、購入前に、まずその時計のことをリサーチする。東京のセイコーミュージアムにも足を運んだ。今までスーツや靴など日本の職人技を高く評価し、世界へ紹介してきた。グランドセイコーも日本のモノ作りの哲学と共に、その真価が世界に

グランドセイコーのコレクション。常に入れ替わっているのでこれはその一部となる。一番右がグランドセイコーの価値を初めて認識させたラッキーウォッチ、ミュージアムピースのGRAND SEIKO 61GS。

THE RAKE JAPAN EDITION issue 23
1 2 3 4 5 6 7 8

Contents