November 2019

THE SINGAPORE SCENE vol.07

シンガポールのクラシックが面白い vol.07

text yuko fujita
photography gerald low

ヒールカウンターの上から外側縦アーチの中心部に向かって斜めの直線ライン、トウをポリッシュさせるのがジョン流。ミラーポリッシュは30SGD、クリーニングを含めたスミスシャインは50SGD。

Scene 6  夢はビスポーク靴職人
MASON&SMITH メイソン&スミス
世界一に輝いたシューシャイナー

 ヴァンダ ファイン クロージングのジェラルド・シェンのお気に入りテーラーはディラン&サンだ。ケヴィン・シアーがテイストの濃い南国系の服を仕立てるのに対し、彼らが仕立てるスーツは端正だ。正統の美しさがある。

 昨年ロンドンで第1回が開催され、ブリフトアッシュの長谷川裕也氏が優勝した“World Championship in Shoe Shining”にシンガポール代表として出場する話を取材時に聞いた。結果を楽しみにしていたが、後日、ジョン・チュンは見事に優勝したとの報告があった。

 1992年生まれの26歳。キャリアは2013年、マリーナ ベイ サンズのシューシャインバーから始まった。その後ケヴィン・シアーと出会い、ケヴィンの店の一角でメイソン&スミスをスタート。

 とにかく研究熱心だ。ポリッシュのラインには独自の美意識を持ち、輝かせ方にもスタイルを確立させた。

 そんなジョンだが、将来はビスポーク靴職人を目指しているという。これまで日本人の3ビスポークシューメーカーのもとで研修生として学んできた。目標は30歳でのスタート。再び3年間靴作りを学び、1年の準備期間を経て始動する予定だ。シーンはますます熱くなりそうだ。

MASON&SMITH
メイソン & スミス

147a Telok Ayer Street
Singapore 068606
TEL.+65 9351 5420 www.masonandsmith.com
ケヴィン・シアーの一角を借りたボートキーの工房から、先月移転したばかり。

日本でもサービスを受けられる?ビスポーク靴職人を目指し始めたジョンは、2016年に香港の奥山 大氏のもとで半年間、昨年は三澤則之氏のもとで、夕方から夜遅くまでまは福田洋平氏のもとで半年間、研修生として靴作りを学んだ。秋から再び日本へ靴作りの勉強をしに行くという。ポリッシュ希望者は、info@masonandsmith.com までコンタクトを。

本記事は2018年5月24日発売号にて掲載されたものです。
価格等が変更になっている場合がございます。あらかじめご了承ください。

THE RAKE JAPAN EDITION issue 22

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