October 2019

The New Breed CLASSICO ASIA vol.06

クラシコ・アジアに注目せよ! vol.06

text&photography yuko fujita

Jan Tong / ジャン・トン(左)1991年、香港生まれ。2014年からアーモリーに参画し、主にカスタムオーダーとバイイングをメインに担当。アーモリーとは別プロジェクトで、ベルンオロロジーのクイントン・ンー(P94)と、ヴィンテージウォッチ&アクセサリーのショップ“AntiQlockwise”を12月にオープン予定。

Alan See / アレン・シー(右)1983年、マレーシア生まれ。2010年10月、マーク・チョーとともにアーモリーを設立。カナダ、英国、アメリカ、中国、シンガポールなど、数多くの国で居住経験があり、独特の感性をもつアジアきってのウェルドレッサーでもあり、アジアで最も有名なウェルドレッサーのひとりでもある。

“The Armoury”は日本語にすると兵器庫という意味だが、クラシックスタイルはときに真面目になりすぎるから、少しおどけた名前にしたかったからこの店名にしたという。そこには、兵器庫から服を買うなんて楽しいよね、というジョークの意味も込められている。だから、同じリヴェラーノ&リヴェラーノで仕立てた服でも、それぞれが思い思いの形で服を着ている。彼らがともに大切にしているのは、カラダに合った絶妙なフィット感の服を着るということなのだ。

HONG KONG
THE ARMOURY アーモリー
クラシコ・アジアは
ここアーモリーから始まった
 クラシコ・アジアのムーブメントは、2010年、香港セントラルのペダービルディングにオープンしたアーモリーの登場によって幕を開けた。メンズクロージングに少しでも興味があるなら、今日、香港のランドマークセントラルとニューヨークにも店舗を構え、世界に向けての発信力がアジア髄一といっていいアーモリーを詣でるのは、グルメと並ぶ香港旅行のハイライトとなり得るだろう。フレンドリーでユーモアに満ちたアレン・シーの接客はまるでエンタメだし、日本人の奥様をもち、ときに片言の日本語を話すマーク・チョーの接客は提案力が抜群で、これ以上ない頼もしさを感じるはずだ。

 アーモリーの世界観を表現するうえでひとつのキーワードとなるのは“ミックス”だ。イタリア、イギリス、フランス、日本、アメリカ、スペイン等、さまざまな国のブランドが揃っているほか、ミラノのムゼッラデンベック、フィレンツェのリヴェラーノ&リヴェラーノ、ナポリのアンブロージ、ポメッラ、オラツィオ・ルチアーノ、日本人ではチッチオの上木規至、スピーゴラの鈴木幸次、ヨウヘイ フクダの福田洋平、オルタスの小松直幸、ナッキーメイドの中川直記らがトランクショーを開催している。

 ビスポークも含めて非常にたくさんの選択肢がある中で、さまざまな国籍のスタッフが、それぞれの個性あふれる着こなしを披露している。多様な文化が入り乱れるアーモリーという舞台の上で、彼らひとりひとりが主役を張っているのだ。ひとつのスタイルに固執しない、掴みどころのなさこそがアーモリーの魅力である。

 ところで、最近、アーモリーは福田洋平の監修によるプライベートレーベルの英国製靴コレクションを発表した。もちろん、これを手に入れられるのは世界でアーモリーだけだ。彼らはこういうことをいつもさらりとやってのける。だから、世界がアーモリーを注目し続けるのだ。

THE ARMOURY

PEDDER
307 Pedder Building 12 Pedder Street Central,
Hong Kong TEL.+852 2804 6991

LANDMARK
B47 Landmark Central 15 Queen’s Road Central
Central, Hong Kong TEL.+852 2810 4990
thearmoury.com

本記事は2017年11月24日発売号にて掲載されたものです。
価格等が変更になっている場合がございます。あらかじめご了承ください。

THE RAKE JAPAN EDITION issue 19