July 2020

The DAPPER MANILA

ケリー・シーの優雅な生活

アジアのRAKISH MENのひとりであるケリー・シー氏は、とびっきりのジェントルマン。
彼はその他多くのRAKISH MENをも魅了する。
photography & text yuko fujita

Kelly See / ケリー・シー1971年、マニラ生まれ。ロサンゼルスの大学を卒業後、ファミリービジネスである貿易業と製造業の世界へ。もともと服を仕立てにイタリアをよく回っていたが、好きが高じて2013年、マニラにメンズクロージングショップ「シグネット」をオープン。イタリアンクラシックを中心とした本店と、アメリカンカジュアルが充実したショップの2店舗をマカティ地区に構える。

ホテルのレストランでの夕食時。マニラでの移動はほぼクルマのため、そこまで真夏な感じではない。この日はパリのチフォネリで仕立てたツイル地のネイビーブレザーに、サルトリア コルコスで仕立てたシャツ、カラブレーゼのタイ、アンブロージのトラウザーズ(生地はホーランド&シェリーのクリスペア)、エドワードグリーンのタッセルローファー。

 アジアのクラシックシーンを支えるRAKISH MENたちは皆とてもジェントリーなことに会うたび感心しているが、マニラのメンズクロージングショップ「シグネット」の共同設立者であるケリー・シー氏は輪をかけてジェントリーだ。優雅な身のこなし、ホスピタリティ、人との接し方、趣味のよい装い、そして、自宅に飾られた調度品やコレクション。今回マニラを訪ねて数日間をともにし、RAKISHMENが口を揃えて「ケリーは特別」と話す理由が一気に見えてきた。

 マニラでの滞在中は、ダルクオーレとアンブロージの「シグネット」での2日間のトランクショーと重なった。最初の客からダルクオーレの仮縫い9着。新しいオーダーもバンバン入れて、次の客がアンブロージのオーダーを入れながら番を待っている。そんな感じで客は途切れることなく2日間まるまる。エネルギーに満ちたマニラの地に、ケリー・シー氏は現在進行形で着実にクラシックの文化を根づかせている。店では客の傍らに心地よい距離感でいて、絶妙なタイミングでスッとアドバイスを挟む。ここの常連客がとても洒落ているのは、こんなところにも理由があるのだろう。

 そのケリー・シー氏が、顧客や友人を招いて優雅なサンクス ギビング ディナーを開催した(ディナーの詳細はこちらのページにて)。

THE RAKE JAPAN EDITION issue 34
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