October 2021

The ALLURE of LUXURY WATCHES

時計大特集:
百花繚乱!いま超高級時計が元気!

ゴング、ゴングレスト、ハンマーの位置を設計し直した革新的なムーブメントを搭載するブレゲの「クラシック ミニッツリピーター 7637」(詳細)。超高級時計たる複雑機構と芸術的装飾がケースバックから鑑賞できる。

 時計ブランドや販売店に話を聞くと、一様に「高級(高額)であるほど売れている」と言う。目立つのは、数百万、あるいは数千万円を超える“超高級時計”だ。時計の価格というのは、宝石を含めた外装素材やメカニズムの複雑さによって決まることが多いが、2000年代に入ってからというもの、これらに凝った超高級時計が増えているのだ。

 そのきっかけをつくったのは、皮肉にも「携帯電話」である。2000年頃から携帯電話が世の中に浸透し始めると、“ケータイがあるから時計は不要”といわれ始めるようになる。しかし時計業界にとっては、“時間を知るための実用品”という常識から解放されるきっかけとなったのだ。実用品でなければ、時計の素材や機構において思い切った新しいチャレンジができる。縛りから解き放たれた時計ブランドたちは、そのクリエイティビティを競い合うようにして、年を重ねるごとに斬新な時計を作るようになっていった。

 その結果が、これから紹介する超高級時計たちだ。特殊な素材をケースに使用したり、美しくて複雑なメカニズムを搭載したりする時計は、必ずしも“時刻を知る”という役目には向いていないかもしれない。しかし天才時計師や熟練職人、あるいはアーティストが、その持てる技術と情熱をぶつけて作り上げた時計は、工芸品やアートピースのような特別な価値を持つようになったのだ。しかもこういった超高級時計は少量、あるいは限定生産が基本であるため、欲しいという時計愛好家の情熱がある限り価値が下がることはない。いうなれば安定資産であるということも、人気に拍車をかけている。

 世界的にワクチンの接種が進み、ひとまずコロナ禍の終わりが見えてきたことによるリバウンド消費で、超高級時計の需要は今後さらに高まるとみられており、この勢いはまだまだ落ち着きそうにない。

本記事は2021年7月26日発売号にて掲載されたものです。
価格等が変更になっている場合がございます。あらかじめご了承ください。

THE RAKE JAPAN EDITION issue 41

Contents

<本連載の過去記事は以下より>

HUBLOT <ウブロ>

PATEK PHILIPPE <パテック フィリップ>

RICHARD MILLE <リシャール・ミル>

JAEGE-RLECOULTRE <ジャガー・ルクルト>

MONTBLANC <モンブラン>

A. LANGE & SÖHNE <A.ランゲ&ゾーネ>

CARL F. BUCHERER <カール F . ブヘラ>

PARMIGIANI FLEURIER <パルミジャーニ・フルリエ>

TUDOR <チューダー>

JAQUET DROZ <ジャケ・ドロー>

HERMÈS <エルメス>

HARRY WINSTON <ハリー・ウィンストン>

ROLEX <ロレックス>

GRAND SEIKO <グランドセイコー>

IWC <アイ・ダブリュー・シー>

CHOPARD <ショパール>

PANERAI <パネライ>

BLANCPAIN <ブランパン>

BREGUET <ブレゲ>

AUDEMARS PIGUET <オーデマ ピゲ>

VACHERON CONSTANTIN <ヴァシュロン・コンスタンタン>

CORUM <コルム>

H. MOSER & CIE <H.モーザー>