June 2019
A super sad true love story
悲劇の写真家、ボブ・カルロス・クラーク
「ある美しい女性を撮影した後、彼は『面白いと思わないかい? 僕が撮影したときより、彼女はすでに老いているんだ』と言ったのよ。撮影はたった2日前だったのに。そして『彼女は年を取り、老いさらばえてしまうけれど、僕のカメラの中には永遠に存在するんだ』と語ったわ」
カルロス・クラークは、裸のポートレートを焼き付けるとき、一種の“寂しさ”を経験すると告白した。
「数カ月もしくは数年にわたってひとりの女性に密着し、創造力のすべてを注ぎ込むという行為は、男にとってセックスにきわめて近い経験だ。やがて興奮が鎮まり、最後の写真を撮った瞬間は、まるで愛人を失うような感覚だ」
ザ・ジャッカルと名を変えて 年齢は彼から生気を奪った。カルロス・クラークは年を取ることをひどく恐れていた。友人であった写真家のテレンス・ドノヴァンが自殺したことで、彼はさらに“死”を考えるようになった。