July 2015

EMPIRE OF THE SONS

地球上で最も裕福な一族
―ロスチャイルド家の系譜―

text james medd
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ギー・ド・ロスチャイルド男爵(左)とオードリー・ヘプバーン、ユベール・ド・ジバンシィ。

今も活躍するロスチャイルド家 20世紀に入ると、ロスチャイルド一族はお宝を手に入れるよりも、手放すことのほうが多くなった。ウォルターの展示品は、いまやロンドン自然史初物館に展示されており、巨匠による数多くの作品がひそかに美術館に寄贈されている。金は相変わらずあり余るほど入ってきたが、一族が特に芸術分野で名の知れた慈善家になったため、飛ぶように出て行った。

反ユダヤ主義と戦う また、不幸なことに、彼らは世界的な反ユダヤ主義の標的にもなってしまった。ナチスのプロパガンダ映画はもとより、突飛な陰謀説まで、枚挙に暇がない。

 これに対抗して彼らは断固たる態度で臨み、ユダヤの伝統に誇りを持ち、ヨーロッパ中で平等な権利を主張してきた。

 イギリスでは1847年にライオネル(1808~1879年)が庶民院に初当選したが、キリスト教徒としての宣誓を求められ、登院を阻まれた。

 彼は1849年に辞職したが、抗議するために補欠選挙で再び当選し、世論を味方につけることで貴族院に新たな法案を可決させ、キリスト教式の宣誓をしなくても庶民院に登院できるようにした。

THE RAKE JAPAN EDITION issue 03
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