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今買える、世界の名画 Vol.04
アンリ・マティス

The Rakish ART ROOM Vol.04

Friday, September 27th, 2019

 

 例えば《窓辺の女》の2年後、《赤い背景の裸婦》でポーズをとっているのは、アンリエット・ダリカレール。もとはダンサーで、引き締まった肉体の持主だった彼女は、マティスのモデルを7年間つとめた。1920年代、マティスは、「オダリスク」(ハーレムの女奴隷)という官能的なテーマを探求することになるが、このシリーズは、まさに彼がアンリエットに出会ってから始まった。

 

 マティスの最も重要なモデルといえば、《刺繍のある緑のブラウス》に描かれたリディア・デレクトルスカヤだろう。《夢》(1935年、ポンピドゥーセンター)や、《大きな横たわる裸婦(バラ色の裸婦)》(同、ボルティモア美術館)など名だたる作品に登場する彼女は、1932年、マティスの制作助手と彼の病身の妻を手助けするために雇われた。その後はマティスのためにポーズをとるようになり、彼が亡くなるまでモデル兼秘書として支えた。

 

 

刺繍のある緑のブラウス

《刺繍のある緑のブラウス》のリディアは、《ルーマニアのブラウス》や《青いブラウス》などでもモデルをつとめた。板に油彩 16.1×22cm 1936年制作 ¥700,000,000(税込価格)お問い合わせ:ザ・レイク・ジャパン info@therakejapan.com

 

 

 また有能な彼女は、この時期マティスが制作した作品の資料として、写真やメモ、アトリエでの会話を残しており、1988年には、それらを『Apparent Ease ―アンリ・マティスの作品1935-1936年―』として出版した。巨匠の制作過程を知ることができるこの本によると、《刺繍のある緑のブラウス》の制作時、マティスはリディアに何度もポーズをとらせ、色とかたちの研究に没頭していたことがわかっている。

 

 

アンリ・マティス/HENRI MATISSE(1869-1954)

パブロ・ピカソと並ぶ20世紀美術の巨匠。20世紀初頭、点描主義やフォーヴィスムの実験をした彼は、40代後半に制作の場をニースに移し、大胆な色とかたちによる装飾的な造形を探求。その集大成として切り絵による『ジャズ』のシリーズなどを生み出した。また最晩年には、南仏ヴァンスのロザリオ礼拝堂の室内装飾を手がけた。

 


<マティスとモネの名作が一堂に会す展覧会>

今回ご紹介したマティスの3作品が出品される展覧会が、箱根のポーラ美術館にて開催予定。

※《窓辺の女》は、展示期間が限られます。

 

「モネとマティス-アルカディア、あるいは楽園の創出」展(仮称)

会場:ポーラ美術館 期間:2020年4月23日(木)~11月3日(火)

*ご紹介した絵画はすぐにご購入いただけますが、決定している展覧会への出品についてはお貸し出しをご了承いただけますようお願いいたします。

 


<《窓辺の女》が鑑賞できる展覧会>

マティスの《窓辺の女》など、「窓」をモチーフとした作品を紹介。それらを手が

かりに、世界の窓の歴史から名建築の窓まで、さまざまな切り口で考察する。

 

「窓展:窓をめぐるアートと建築の旅」

東京国立近代美術館 2019年11月1日(金)~2020年2月2日(日)

丸亀市猪熊弦一郎現代美術館 2020年7月11日(土)~9月27日(日)

 

 


 

<本連載の記事は以下より>

Vol.01 マルク・シャガール

Vol.02 ワシリー・カンディンスキー

Vol.03 モイーズ・キスリング

Vol.04 アンリ・マティス

Vol.05 パブロ・ピカソ

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