Friday, November 24th, 2017

SPECIAL NIGHT BY ISETAN MEN’S × THE RAKE
世界屈指のベストドレッサーを招いた、紳士のための一夜

伊勢丹メンズ館8階のカフェ「リジーグ」にて開かれた
一夜限りのエクスクルーシブなトークイベントの模様をレポート
photography tatsuya ozawa

 伊勢丹メンズとTHE RAKE がタッグを組んで開催されたスペシャルイベントのメインとなったのは、弊誌の編集長松尾健太郎がホストを務めるトークショーであった。ゲストとして迎えられたのは、弊誌でもお馴染みのマーク・チョー氏。香港とニューヨークに店を構え、世界中のウェルドレッサーを虜にしているセレクトショップ「The Armoury」の共同設立者であり、今やアジアのファッションを牽引しているといっても過言ではない男である。そんなマークの卓越したコーディネイト術に迫るトークショーの開口一番、彼の口から興味深いキーワードが放たれた。
「バランスのよいコーディネイトを考える秘訣は、“Warm and Cool”です」
 その真意はこうだ。
「色には、温かな(Warm)色と冷たい(Cool)色があります。このコーディネイト(上写真の左から2番目)を例に挙げると、このフォックス・ブラザーズのフランネルジャケットは、イギリスらしい温かさを醸し出すグレイです。この温かさを強調するために、ペールイエローのシャツを選びました。次はネクタイ。例えばブラウンのタイを選んだとしたら、全体的にWarmが多すぎますよね。だからここではネイビーを選ぶことによって、Warmが抑えられて美しいコントラストに仕上がる。あえて反対色をとりいれることでメリハリを付けるのです」
 我々の想像を遥かに超えて、システマチックに構築されていた彼のコーディネイト術。この秘密を聞いたゲストたちが、みな満足げに会場をあとにしていたのは言うまでもない。

中央に並ぶトルソー4体は、ゲストであるマーク・チョー氏(右から2番目)が当日即興でコーディネイトを組んだもの。
彼がコーディネイトの秘訣を語ると、会場にはどよめきと拍手が。誰もが納得、そして試してみたくなる、そんなコーディネイトメソッドであった。
通訳を務めたイギリスを中心に活躍するジャーナリストの長谷川喜美さん(右)と、弊誌編集長の松尾健太郎(左)。

会で振る舞われたレミー コアントロー社の『ブルックラディ ザ・クラシック・ラディ』。スコットランド産の大麦麦芽のみを使用し、ほぼすべての製造工程をアイラ島で行ったシングルモルトだ。

それぞれのコーディネイトにおけるポイントを、1体1体丁寧に解説するマーク・チョー氏。目から鱗のコーディネイト術であった

バー『ガスライト』四谷店の店主を務める須田好一氏によって、『ブルックラディ』がハイボールで饗された

当日のゲストのなかには豪華な面々も。左から順に、リッドテーラーの根本修氏、テーラーケイドの山本祐平氏、COHÉRENCEの中込憲太郎氏

大人気の『chioben』によるフィンガーフード。会場を鮮やかに彩るだけでなく、人々を口福へと誘っていた。