From Kentaro Matsuo

THE RAKE JAPAN 編集長、松尾健太郎が取材した、ベスト・ドレッサーたちの肖像。”お洒落な男”とは何か、を追求しています!

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岡田哲哉さん

岡田哲哉さん

グローブスペックス代表取締役

text kentaro matsuo  photography natsuko okada

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日本におけるお洒落系メガネショップの草分け、グローブスペックス代表、岡田哲哉さんのご登場です。実は私はすでに老眼なのですが、その私のメガネをお願いしているのも岡田さんです。

「ファッションとしてのメガネ、そして医療としてのメガネ、どちらも全力でやっています」との言葉通り、視力矯正具としてのメガネを、安心してまかせられるのが理由です。私はいくつかリーディンググラスを持っていますが、岡田さんに作ってもらったものは、圧倒的に見やすく疲れず、そればかりかけるようになりました。

スーツはKolor(カラー)。デザイナー、阿部潤一さんが手掛けるジャパン・ブランドです。

「Scye(サイ)、エムズ ブラック、マンドなど、日本のクリエイターが作るブランドが好きですね。日本人が作っているので着やすいし、サイズも直さないで済む。デザインにヒネリがあって面白いけれど、皆ベーシックをよく知っているので、大きくハズさない安心感もあります」

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シャツはNYのアダム キメルとカーハートのコラボ。襟に付けているピンはラルフ ローレンです。

「以前、ラルフ ローレン表参道店のすべてのディスプレイで、このピンを使っていたのです。『アレを買いたい』と言ったら、非売品だといわれた。でもどうしても欲しかったので、しつこく迫ったら、なんとタダでもらえたんですよ(笑)」

ベルトもラルフです。

 

タイはニューヨーク、ブルックリンのザ・ヒルサイド。

「ニューヨークで買いました」

実は岡田さんは、小学校と20代の頃にNYに住んでいたことがあります。日本では南青山が地元で、母校はフロムファースト向かいの青南小学校だとか。根っからの都会っ子です。

 

メガネはザ・バラックス。ご自分でデザインしているコレクションです。

「コンセプトは“ミリタリー”です。ケースはフライトジャケットのMA-1のような素材ですし、メガネクロスには1940年代の軍隊をモチーフにしたコミックがプリントしてあります」

フレームカラーは、一見黒に見えますが、実はネイビーです。

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時計はIWCのポルトギーゼ。ナイロン・ストラップに替えてあるのは、ファッションではなく、抜き差しならない理由があるのだとか。

「実は私は、レザーアレルギーなのです。革製のものを身につけていると、皮膚が赤く水ぶくれのようになってしまう」

そんなアレルギーがあるとは、初めて知りました。

 

シューズはおなじみ、コンバースのジャック・パーセルです。

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なぜメガネ業界に入られたのですか? と聞くと意外な答えが返ってきました。

「私の生家は非常に堅く、父をはじめ親族は皆、金融系や弁護士ばかりだったのです。そこで私も大卒後の就職は銀行を選びました。しかしこれが、まるで向いていなかった。数字ばかりカウントして、『こんなにつまらないことはない』と思いました。そこで昔から好きだったファッションの世界に入りたかったのですが、100%ファッションというのは、家系のせいか抵抗があった。だから、半分ファッション、半分医療というメガネ業界へ入ったのです」

岡田さんが元・銀行員だとは知りませんでした。

 

「それから医療としてのメガネはみっちり勉強しました。しかしファッションのほうは、まるで理解してもらえなかった。海外からアンティーク・フレームを輸入しようとしたら、とんでもないといわれました。当時は、まだまだメガネは、視力矯正具だったのです」

 

満を持してグローブスペックスを開いたのは、38歳の頃。

「“目が悪いからメガネをかけるのではなく、かけたいからかける”というコンセプトの店を作りたかった。しかし他店が1〜2万円のものを揃えるなか、私の店は5〜6万円が中心でした。しかも当時はビルの3階だったということもあり、最初の3ヶ月間はまったくお客さんが来なかった」

 

ところが、一人のライターの尽力によって、ブレークスルーが訪れます。

「ライターの山口淳さんが、メンズ・イーエックスをはじめ、三つの雑誌に見開きの記事を書いてくれた。タイトルは“日本にも本格的なメガネ店登場”というものでした。その記事が世に出て以来、もう爆発的に人が来ました」

(故・山口淳さんは、私も大変にお世話になった方です。素晴らしい目利きでしたが、残念ながら、2013年に急逝なさいました。二人ともしばし彼のことを思い出し、しんみりしました)

 

「はじめの頃は、メガネというものと格闘していましたが、いまでは自分の人生の重要なパートナーとなりました。面白くなってきた仲間ともいえるでしょうか。どんどんメガネが好きになりますね」

ここにもまた、自分の好きなことを生涯の仕事にし、幸せを掴んだ方がいました。

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グローブスペックス代官山店内。同店は、去る2月にミラノで開催された世界最大規模のメガネ展示会MIDOにて、世界一のメガネ店を選出するBESTORE AWARDにて、最優秀賞を受賞しました。日本はおろかアジアでも初の快挙だそうです。

 

グローブスペックス代官山店

〒150-0033 東京都渋谷区猿楽町14-12A
Tel:03-5459-3645
OPEN 11:00 – CLOSE 20:00
定休日:なし(年始を除く)

http://www.globespecs.co.jp/

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