From Kentaro Matsuo

THE RAKE JAPAN 編集長、松尾健太郎が取材した、ベスト・ドレッサーたちの肖像。”お洒落な男”とは何か、を追求しています!

加藤勝信さん

Friday, November 25th, 2016

加藤勝信さん

 

一億総活躍担当、拉致問題担当、女性活躍担当、

再チャレンジ担当、国土強靭化担当、

内閣府特命担当(少子化対策および男女共同参画)大臣

 

text kentaro matsuo photography natsuko okada

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今回このブログをご覧になっている方は、わが目を疑っていると思います。なんと加藤勝信大臣のご登場です。ここでは、数多くのお洒落な方々を取材してきましたが、現役の大臣にご降臨頂くのは初めてです。

加藤大臣は、その長い肩書きからもわかるように、ご担当されている分野が幅広く、非常にお忙しい方です。その中でお時間を割いて頂いたことに、心から感謝致します。

 

議員会館の事務室には、われわれの取材の前後にも、陳情らしき人々が列を成していました。皆さん切実な訴えを抱えているのでしょう。その目は真剣そのものです。その中で、私とカメラマンの岡田ナツ子は、あまりにも「浮いた」存在でした・・・

 

さて、私が「もっとお洒落をして欲しいな」と思う職業の筆頭は、政治家の方々です。たまに国会中継などを見ると、どう見ても安物の、しかもサイズの合っていないスーツをお召しの方が多いのです。

日本国内だけだったら、それでいいのかもしれません。しかし、国を代表して海外に行かれる場合は、もう少し何とかして欲しいと思ってしまいます。名刺社会である日本と違って、さまざまな人種が交錯する欧米では、まずその人の着ているもので、人となりを推し量る習慣があるからです。

ですから欧州の政治家は、必ず一流処の仕立て服を着ています。サミットの記念撮影で、ずらりと並んだ各国首相のなかで、日本だけが「あーあ」ということにならないよう、頑張って頂きたいと思うのです。

 

その点、本日の加藤大臣のような着こなしなら満点ですね。

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 スーツはタキザワ シゲルにてオーダーメイドしたもの。いかにも高級感のあるグレイッシュ・ネイビーの生地は、ドーメルの看板素材“アマデウス”です。緩やかに絞られたウエスト・シェイプが、注文服であることを物語っています。

「昔から滝沢さんの服が好きで、銀座のバーニーズ ニューヨークでよく買っていました。家族をはじめ、周りからの評判もよかったですし。オーダーしたのは初めてですが、ちょっとタイトめで、きちんと体に合っていて気持ちがいい。若返ったような気分になりますね。これ以上太ることができない、という抑止力にもなります(笑)」

 

シャツもタキザワ シゲルのオーダー品。

「私は体に対して首が太いので、シャツはオーダーでないとダメなのです」

ちなみにタキザワ シゲルを愛用されている政治家の方は、加藤大臣以外にも多いのです。

 

タイはマリネッラ。かつてのナポリ・サミットの際に、お土産として配られた名品ですから、政治家の方がするにはぴったりです。

「マリネッラでは数本のタイを買いました。普段締めるのは、黄色や赤系が多いですね。家内が私に、その日のラッキーカラーを教えてくれるんです。風水なのでしょう。それを参考にすることもあります」

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メガネはシャルマン。こちらは福井県・鯖江の逸品です。お求めは地元・岡山にて。

「日本には伝統的なモノ作りのよさがあり、素晴らしい職人たちがいる。しかし、皆さん年配となってきている。これを次世代へと、継承していかなければならない。それには、まず需要がなければなりません」

まったく仰る通りです。今こそ官民挙げて、日本を“ファッションと職人の国”としてアピールするべきだと思います。

 

時計はシチズン アテッサ エコ・ドライブ GPS衛星電波時計。

 

「いつも時間ギリギリで仕事をしていますから、正確な時計は欠かせません。その点これは電波時計ですから、絶対に狂わない。この手のものとしては、薄型なところも気に入っています」

 

シューズは、ジョン ロブのシティ。ストレートチップの傑作です。こういったオックスフォードタイプの紐靴は、地位ある方が履くと、本当にカッコいいですね。

「私は甲高幅広でなかなか合う靴がないのですが、これは足に馴染みます。時間があれば、靴磨きも自分でしますよ。靴墨とブラシを使ってね」

 

さすがと唸ったのは、大臣がロングホーズを穿かれていたこと。足を組んだ時に、スネ毛が見えてしまうのは、欧米では最低のマナーとされていますから。

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「政治家にとって、服装は大きなファクターだと思います。もちろん一番大切なのは政策内容なのですが、それを受け入れて頂けるような雰囲気を醸し出す、ということは必要です。ですから皆様に、なるべく好印象を与えるような装いを心がけています」

政治家の方々は、いつも衆目に晒されているのですから、本当に大変ですよね。

 

「ご自身のほかに、お洒落だと思う政治家はいらっしゃいますか?」との問いには、

「やはり図抜けているのは、麻生(太郎)副総裁・財務大臣でしょう。テーラーメイドの洋服を、いつも自然に着こなしておられます。われわれは国会答弁の時など、立ったり座ったりが多いのですが、他の人のズボンがしわくちゃになっても、麻生さんのパンツは、いつもピンとしている。不思議に思って尋ねたら、パンツの返しの中に、オモリを入れているのです。『オイ、触ってみろ』と言われて触ったら、本当に入っていましたよ(笑)」

 

ほとんどの日をスーツで過ごされる加藤大臣ですが、たまの休日や散歩の時には、ジーンズもお召しになるそうです。

「私の地元である岡山は、ジーンズとその生地で世界的に有名ですからね。ジーンズだけではなくて、デニム生地のスーツも3着持っているんです」

デニム・スーツ姿の加藤大臣、拝見してみたいですねぇ。

 

ちなみに大臣は東京・杉並のご出身で、高校は私服だっだそうです。

「当時は、ジーンズにTシャツという格好ばかりでした。ベルボトムのパンツに、髪の毛はロン毛。でも髪質が堅いから、ライオン丸みたいになってしまうのだけれど(笑)」

 

最近のお悩みは忙しすぎて、ショッピングに時間を割けなくなってしまったこと。

「羽田空港の中に、三越伊勢丹があるのです。以前は飛行機を待っている間に、そこを見て回るのがちょっとした楽しみでした。しかし大臣になってから、別の通路を使わなければいけなくなってしまったのです」

 

そんな大臣の、いま一番の楽しみは、4人の娘さんと食事に行くことだとか。

「私は代々木上原に住んでいるのですが、家のそばの『まんぷく』という焼き肉屋へよく行きます。ええ、美味しいですよ。それから『ふく』という焼き鳥屋も好きですね。ただし、こちらのほうは、なかなか予約が取れなくなってしまって・・・」

なるほど一国の大臣をもってしても、人気店の予約って、難しいものなのですね。

 

素敵なファッション・センスと飾らないお人柄が、加藤大臣の最大の魅力だと申せましょう。