From Kentaro Matsuo

THE RAKE JAPAN 編集長、松尾健太郎が取材した、ベスト・ドレッサーたちの肖像。”お洒落な男”とは何か、を追求しています!

田島雄志さん

Friday, September 25th, 2015

田島雄志さん

 

ザ クリーム オブ ザ クロップ アンド カンパニー 代表取締役社長

interview kentaro matsuo photography tatsuya ozawa

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ザ クリーム オブ ザ クロップ アンド カンパニーの社長、田島雄志さんのご登場です。クリーム オブ ザ クロップというのは、英語で「最上の最上」の意味で、その名の通り、世界中の最高級嗜好品を扱っている会社です。

 

なかでも最も知られているのは、ベルギーのチョコレート、ピエール マルコリーニでしょう。毎年のバレンタイン・デーには、店の前に長い行列ができることで知られています。

「最初は全く売れなかったんですよ。売れ残ったチョコを泣く泣く捨てていました。しかし“どっちの料理ショー”というテレビ番組に取り上げられて、一気に火がつきました」

今では田島さんは、チョコレート・ブームの仕掛け人と言われるまでになりました。

 

私が最初にお会いしたのは、キャンディーという会社を通じて、ジョン ロブの輸入をなさっていた頃でした。田島さんは、セルジオ ロッシ、デルヴォー、エドワード・グリーンなど、数々の逸品を手がけてこられた方なのです。インポート・ビジネスは、お手のものだったのですね。

 

ジャケットはアンダーソン&シェパード。あのチャールズ皇太子も顧客リストに名を連ねる、サヴィルロウの老舗です。

「もう30年も作り続けているんです。最初の頃は、全然うまくいかなかった。何着も作って、ようやく合うようになりました。作る方が“おまかせ”ではダメなんです。例えば、『スラントポケットはやらない』とか、彼らも頑固ですから、そこを話し合っていかないと」

 

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ジャケットのラペルホールに付いている赤いピンは、ベルギーの勲章、王冠勲章オフィシエ章の略章だとか。田島さんは、ベルギー政府から叙勲されたことがあるのです。

「ベルギー大使にジョークで、『私もそろそろ勲章がもらえてもおかしくないなぁ』と言ったら、翌年本当にくれたのです。しかし、これを付けていても、バスがタダになったりとか、何の特典もありませんが(笑)」

これはもちろん、デルヴォーやマルコリーニを通じて、長年ベルギーのために尽力なさった結果だと思います。

 

パンツはフィレンツェのジャンニ・セミナーラのスミズーラ。パンツに関しては、A&Sの他に、ルビナッチなどが「よくできている」と評価されていました。

 

シャツはフランス、シャルべのオーダー。

「シャルベのオーダーは、まず1着作って、それをしばらく着させられ、生地の縮み具合を見てから、2着目以降を作るという手間をかけます。そうやって作ったシャツは、少しぐらい太ったり痩せたりしても、ずっと着やすいのです」

 

タイはベルギーのディゴーンが別注したドレイクス。

「ブリュッセルのディゴーンは、今どき珍しいくらい趣味のいい店」

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 カフリンクスは、なんとクロームハーツ。こういうモノにまで目を光らせているところが、只者ではありません。リングは、昔英国で買ったアンティーク。

 

時計は、フランスのオブレイ。シルバー製、クォーツです。

「実は昔、オブレイの代理店をやっていたのです。私は時計の機械には全く興味がありませんが、シルバーが好きなので、ずっとはめています」

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シューズは、パリのジョン ロブのビスポーク。こちらもかつて扱っていらしたブランドです。

「ギリーシューズが好きです。なぜなら紐を緩めると、すぐに脱げるから」

素晴らしい色艶ですね、と褒めると、

「この靴は買った時は、もっと明るいブラウンでした。それに自分でブラックの靴クリームを塗り込めて、アンティーク調に仕上げました。そうやって、自分だけの色にするのです」と。

 

写真の靴は、初めてジョン ロブでオーダーした靴(茶色のストレートチップ)と、趣味のゴルフ・シューズ2点。田島さん曰く

「ゴルフシューズは、決してダブルモンクにしてはいけません。甲部分が動かせないと、うまいスイングができない」そうです。

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これだけの洒落者になる素養は、やはり幼い時からあったようです。

「よくジャケットに半ズボン、そして蝶ネクタイといった格好をさせられていました。母が革靴の紐を“ピン”と結んでくれたのを憶えています」

 

その後、19歳のときに英国へ留学され、お洒落にも拍車がかかります。

「イングランドの海岸都市、ブライトンにある大学へ通っていました。当時はロングヘアで、ロンドンブーツを履いていました。週末になるとディスコへ繰り出して、水着の女の子と踊っていましたね(笑)」

 

青春時代を過ごした影響は大きく、今でも田島さんのスタイルの根っこには、英国があるといいます。

「紳士服は英国で完成されたもの。いろいろあっても、最後はブリティッシュ・トラッドに帰ってくるものだと思います」

 

まさに、クリーム オブ ザ クロップな、着こなし。お見事です。