From Kentaro Matsuo

THE RAKE JAPAN 編集長、松尾健太郎が取材した、ベスト・ドレッサーたちの肖像。”お洒落な男”とは何か、を追求しています!

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ティエリー・オリエさん

 ジェイエムウエストン プレジデント&チェアーマン

text kentaro matsuo  photopgaphy tatsuya ozawa

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 ジェイエムウエストンは、25年前に日本に上陸して以来、私がずっと大好きなシューズ・ブランドです。思うに、ジェイエムウエストンって、初めて日本に入って来た本格靴だと思うのです。もちろんそれ以前にも、単品でのインポートシューズはありましたが、本場そのままの店がそのままやって来たのは、ジェイエムウエストン青山店が初めてだったように思います。まるで映画でしか知らなかったフランスの女優さんが、いきなり目の前に現れた感じ・・。オリジナルの靴クリームの香りさえ麗しく、何度もクンクンしたのを覚えています。

 

それから四半世紀が経ち、ジェイエムウエストンとしては東京で二番目の路面店が、丸の内にオープンしました。それを祝して、本国フランスからインターナショナルのプレジデントが来日されたため、さっそくインタビューをお願いすることにしたのです。

(実は私は仏文科出身なのですが、まったくフランス語が話せないため、通訳の方を介しての会話となりました。一体あの4年間は、何だったのだろう?)

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 ファッションの国、フランスからいらしただけあって、とてもお洒落なプレジデントです。

「フランス人のファッションは、ちょっと特別なのです。イタリアと比べるとクラシックで伝統的なものを好みますが、英国ほどかっちりしていない・・そして大切なのは、“ノン・シャラン”ということですね」

 

このノン・シャランというやつ、“無頓着な、なげやりな”といった意味で、フランス流のお洒落の極意とされています。その好例はセルジュ・ゲンズブールで、ファッションなんて興味がないよ、という顔をしていながら、実はすべてが計算されているという・・これはなんだかジェイエムウエストンの靴にも通じるような気がします。

 

「最近ではフランスのブランドでも、イタリアに靴の生産を委託することが多いのですが、イタリアの靴はどうしてもカタチで遊びがちです。最終的には、フランスの伝統的なスタイルに、戻ってくることが多いですね」

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ジャケットはザ・ジジ。ボリオリの元オーナー兄弟が設立した、イタリアのブランドです。

「実は日本のセレクトショップのオリジナルも好きですね。丸の内のトゥモローランドで限定モノを見つけると、ついつい買ってしまいます」

 

シャツはアラン フィガレ。パリの高級シャツ・メーカーで、実はジェイエムウエストンとは同じグループです。

 

ジーンズはアクネ ストゥディオズ。スウェーデン発のファッション・ブランドです。

 

スカーフは、クリムゾンというパリのセレクトショップで買ったもの。

「スカーフは大好きでいつも身につけています。とてもたくさん持っていますよ」

 

カフリンクスは、

「今回の旅行で忘れてしまって、友人から借りた」もの。

 

スカーフやカフスをコーディネイトに取り入れるところが、実にフランス風です。

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 靴はもちろん、ジェイエムウエストン。アーティスティック・イメージ&カルチャー・ディレクター、オリヴィエ・サイヤールが、ブランドのアイコンであるローファーをモディファイした新作です。

「オリヴィエは、ウエストンのアーカイブを見ながら、『何をつくろうか?』と考えていました。そしてある日、20世紀の初めに使われたインクの吸い取り紙を見つけたのです。これをモチーフにしたのが、新しいコレクション、パピエ(仏語で”紙”の意)です。インクのシミのような模様が、面白いでしょう?」

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 今回の日本への出張では、写真の4足の靴を持って来ってきたそうです。

「これだけあれば、どんなシーンにも対応できます。特に気に入っているのは、サイドゴア・ブーツです。大きな一枚革で出来ていて、原皮からのカットが難しい。それから甲の部分の美しいカーブを見て下さい。濡らした状態の革を48時間かけて木型で伸ばしたもので、決して型くずれしないのです。これはもう何年も履いているんですよ」

靴の話になると、止まらなくなります。

 

「ウエストンに入社する前から、靴というものが大好きでした。現在、約50足の靴を持っていますが、すべて自分で磨きます。週末にまとめてね。一週間に8足のペースかな・・。小一時間はかかりますが、まぁ趣味ですから(笑)。靴を磨くのは、とても楽しい。靴と対話している気分になります。靴の善し悪しを知るのに、これ以上の方法はありません」

と靴への愛を語ります。

 

「ワックスよりは、クリームを主に使います。あまりピカピカさせるのは、好きではないのです。そのほうが、かえって革のよさが引き立つと思います」

そうなんですよね。ジェイエムウエストンの靴は、ちょっとマットな感じに仕上げた方が、カッコいい。これがフランス流の“ノン・シャラン”な足元というわけです。

J.M. WESTON MARUNOUCHI_3

ジェイエムウエストン丸の内

東京都千代田区丸の内3-2-3 二重橋スクエア 1F

http://jmweston.com