From Kentaro Matsuo

THE RAKE JAPAN 編集長、松尾健太郎が取材した、ベスト・ドレッサーたちの肖像。”お洒落な男”とは何か、を追求しています!

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加藤勝信さん

加藤勝信さん

 

一億総活躍担当、拉致問題担当、女性活躍担当、

再チャレンジ担当、国土強靭化担当、

内閣府特命担当(少子化対策および男女共同参画)大臣

 

text kentaro matsuo photography natsuko okada

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今回このブログをご覧になっている方は、わが目を疑っていると思います。なんと加藤勝信大臣のご登場です。ここでは、数多くのお洒落な方々を取材してきましたが、現役の大臣にご降臨頂くのは初めてです。

加藤大臣は、その長い肩書きからもわかるように、ご担当されている分野が幅広く、非常にお忙しい方です。その中でお時間を割いて頂いたことに、心から感謝致します。

 

議員会館の事務室には、われわれの取材の前後にも、陳情らしき人々が列を成していました。皆さん切実な訴えを抱えているのでしょう。その目は真剣そのものです。その中で、私とカメラマンの岡田ナツ子は、あまりにも「浮いた」存在でした・・・

 

さて、私が「もっとお洒落をして欲しいな」と思う職業の筆頭は、政治家の方々です。たまに国会中継などを見ると、どう見ても安物の、しかもサイズの合っていないスーツをお召しの方が多いのです。

日本国内だけだったら、それでいいのかもしれません。しかし、国を代表して海外に行かれる場合は、もう少し何とかして欲しいと思ってしまいます。名刺社会である日本と違って、さまざまな人種が交錯する欧米では、まずその人の着ているもので、人となりを推し量る習慣があるからです。

ですから欧州の政治家は、必ず一流処の仕立て服を着ています。サミットの記念撮影で、ずらりと並んだ各国首相のなかで、日本だけが「あーあ」ということにならないよう、頑張って頂きたいと思うのです。

 

その点、本日の加藤大臣のような着こなしなら満点ですね。

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 スーツはタキザワ シゲルにてオーダーメイドしたもの。いかにも高級感のあるグレイッシュ・ネイビーの生地は、ドーメルの看板素材“アマデウス”です。緩やかに絞られたウエスト・シェイプが、注文服であることを物語っています。

「昔から滝沢さんの服が好きで、銀座のバーニーズ ニューヨークでよく買っていました。家族をはじめ、周りからの評判もよかったですし。オーダーしたのは初めてですが、ちょっとタイトめで、きちんと体に合っていて気持ちがいい。若返ったような気分になりますね。これ以上太ることができない、という抑止力にもなります(笑)」

 

シャツもタキザワ シゲルのオーダー品。

「私は体に対して首が太いので、シャツはオーダーでないとダメなのです」

ちなみにタキザワ シゲルを愛用されている政治家の方は、加藤大臣以外にも多いのです。

 

タイはマリネッラ。かつてのナポリ・サミットの際に、お土産として配られた名品ですから、政治家の方がするにはぴったりです。

「マリネッラでは数本のタイを買いました。普段締めるのは、黄色や赤系が多いですね。家内が私に、その日のラッキーカラーを教えてくれるんです。風水なのでしょう。それを参考にすることもあります」

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メガネはシャルマン。こちらは福井県・鯖江の逸品です。お求めは地元・岡山にて。

「日本には伝統的なモノ作りのよさがあり、素晴らしい職人たちがいる。しかし、皆さん年配となってきている。これを次世代へと、継承していかなければならない。それには、まず需要がなければなりません」

まったく仰る通りです。今こそ官民挙げて、日本を“ファッションと職人の国”としてアピールするべきだと思います。

 

時計はシチズン アテッサ エコ・ドライブ GPS衛星電波時計。

 

「いつも時間ギリギリで仕事をしていますから、正確な時計は欠かせません。その点これは電波時計ですから、絶対に狂わない。この手のものとしては、薄型なところも気に入っています」

 

シューズは、ジョン ロブのシティ。ストレートチップの傑作です。こういったオックスフォードタイプの紐靴は、地位ある方が履くと、本当にカッコいいですね。

「私は甲高幅広でなかなか合う靴がないのですが、これは足に馴染みます。時間があれば、靴磨きも自分でしますよ。靴墨とブラシを使ってね」

 

さすがと唸ったのは、大臣がロングホーズを穿かれていたこと。足を組んだ時に、スネ毛が見えてしまうのは、欧米では最低のマナーとされていますから。

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「政治家にとって、服装は大きなファクターだと思います。もちろん一番大切なのは政策内容なのですが、それを受け入れて頂けるような雰囲気を醸し出す、ということは必要です。ですから皆様に、なるべく好印象を与えるような装いを心がけています」

政治家の方々は、いつも衆目に晒されているのですから、本当に大変ですよね。

 

「ご自身のほかに、お洒落だと思う政治家はいらっしゃいますか?」との問いには、

「やはり図抜けているのは、麻生(太郎)副総裁・財務大臣でしょう。テーラーメイドの洋服を、いつも自然に着こなしておられます。われわれは国会答弁の時など、立ったり座ったりが多いのですが、他の人のズボンがしわくちゃになっても、麻生さんのパンツは、いつもピンとしている。不思議に思って尋ねたら、パンツの返しの中に、オモリを入れているのです。『オイ、触ってみろ』と言われて触ったら、本当に入っていましたよ(笑)」

 

ほとんどの日をスーツで過ごされる加藤大臣ですが、たまの休日や散歩の時には、ジーンズもお召しになるそうです。

「私の地元である岡山は、ジーンズとその生地で世界的に有名ですからね。ジーンズだけではなくて、デニム生地のスーツも3着持っているんです」

デニム・スーツ姿の加藤大臣、拝見してみたいですねぇ。

 

ちなみに大臣は東京・杉並のご出身で、高校は私服だっだそうです。

「当時は、ジーンズにTシャツという格好ばかりでした。ベルボトムのパンツに、髪の毛はロン毛。でも髪質が堅いから、ライオン丸みたいになってしまうのだけれど(笑)」

 

最近のお悩みは忙しすぎて、ショッピングに時間を割けなくなってしまったこと。

「羽田空港の中に、三越伊勢丹があるのです。以前は飛行機を待っている間に、そこを見て回るのがちょっとした楽しみでした。しかし大臣になってから、別の通路を使わなければいけなくなってしまったのです」

 

そんな大臣の、いま一番の楽しみは、4人の娘さんと食事に行くことだとか。

「私は代々木上原に住んでいるのですが、家のそばの『まんぷく』という焼き肉屋へよく行きます。ええ、美味しいですよ。それから『ふく』という焼き鳥屋も好きですね。ただし、こちらのほうは、なかなか予約が取れなくなってしまって・・・」

なるほど一国の大臣をもってしても、人気店の予約って、難しいものなのですね。

 

素敵なファッション・センスと飾らないお人柄が、加藤大臣の最大の魅力だと申せましょう。

 

 

俣木昌己さん

俣木昌己さん

イン アンド ヤン代表取締役

text kentaro matsuo photography tatsuya ozawa

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PR会社であるインアンドヤンを経営なさっている俣木昌己さんのご登場です。お会いするなり開口一番、

「松尾さん、ひどいなぁ。私にはタイドアップを要求しておいて、自分はその格好ですか!」

取材時に私が着ていたのは、Tシャツに短パン。まるで裸の大将です。いやぁ、本当にすみません。暑かったものですから・・・

 

俣木さんは24歳で独立してから、ありとあらゆる会社・商品のPRを手掛けてこられました。かつてはラッキーストライク、レミーマルタン、NTT、ナムコ、ゼニア、トッズ、スカーゲン、最近ではスタインウェイ、クラブツーリズム、阪急メンズ、某メガバンクなどなど・・その数は枚挙に暇がありません。

「私が手がけてきたのは、商品ローンチの仕事が多いのです。誰も知らないモノを、たくさんの人に知ってもらうのが楽しいですね。売り上げが伴なうと、もっと嬉しい(笑)」

 

本日はご自分自身をPRです。

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スーツは、広尾のセレクトショップ、ピッコログランデでオーダーしたもの。

フランネル調の素敵な生地はカチョッポリ。素敵なご夫婦お二人でやっている、知る人ぞ知るお店です。

「以前の事務所の真向かいだったので、通うようになりました。プライベートでもお付き合いがあって、食事に行ったり、ゴルフに行ったりしているんです。今日のコーディネイトもアドバイスしてもらったんですよ」

 

タイとシャツは、サルヴァトーレ・ピッコロ。 チーフは、ロジ&ゲッツィ。

やはりピッコログランデにて購入したもの。

「これは、今回の撮影のために新調したんです」

すいませんねぇ・・

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時計はパテック フィリップのカラトラバ ポインターデイト。日付を示す赤い針が特徴です。文字盤の色に合わせて、ストラップもネイビーになっているところがミソだとか。

 

シューズはサントーニ。リザード遣いが上品でお洒落。これもピッコログランデで買ったもので、

「お店の人には、『ちゃんと靴下を履いてくださいね』と言われました(笑)」

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東京生まれの俣木さんですが、幼い頃は喘息がひどく、キレイな空気を求めて、鹿児島・指宿へ移住されたそうです。

「ファッションは大好きだったんですが、指宿には学生服を売っているような店しかない。しかしホテルや旅館はたくさんあったので、バイトしまくって、そのお金を全部洋服へつぎ込んでいました」

 

そのお陰もあって、ある日鹿児島の街を歩いていたら、雑誌ホットドッグプレスの街頭スナップに声をかけられて、写真を撮られました。掲載号を見てみたら、なんとグランプリになっていたそうです。

「これが嬉しかったですね。初めて自分の服を人にホメられた」

 

それから俣木さんのバブル時代が始まります。

「東京に戻って、空間プロデューサーの山本コテツさんの下で働くことになりました」

山本コテツさんは、かつてエムザ有明やADコロシアム、トゥーリアなどのクラブを手がけた、まさにミスターバブルのようなお方です。

「もう毎日すごかったですよ。当時は皆現金じゃないですか。1日の営業が終わると、机を挟んで座っていた前の人の顔が、札束の山で見えなくなった(笑)」

 

すごいなぁ。実は俣木さんと私は同い年なのですが、バブル真っ盛りの頃、私は傾きかけた出版社におり、「バブルって何だろう?」と思いながら、手取り11万円の月給で必死に働いていました。あ、ちなみにボーナスは5万円でしたよ(笑)

 

全く違う人生を歩んできた二人ですが、同い年というだけで、なんとなく安心できますね。今度は私もタイドアップしてきますから、また飲みに行きましょう。そしてファッションの話をしましょうね!