From Kentaro Matsuo

THE RAKE JAPAN 編集長、松尾健太郎が取材した、ベスト・ドレッサーたちの肖像。”お洒落な男”とは何か、を追求しています!

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マイケル・ヘイワースさん

国際弁護士

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国際弁護士のマイケル・ヘイワースさんのご登場です。“弁護士”と聞いただけで、恐れ多い感じがするのに、さらに“国際”が付いているのですから、きっと大変なエリートなのでしょう。

マイケルさんは、アメリカ人の父親と日本人の母親を持ち、生まれは日本、育ちは南カリフォルニアです。数カ国語に堪能で、世界中を飛び回り、主に外資系クライアントの法務を担当し、東京では広尾の超高級アパートメントに住んでいて、着ている服は全部ス・ミズーラという、まるで絵に描いたようなエグゼクティブです。しかも、ファッション・センスもめちゃくちゃいい。世の中には、こういう人もいるのですね。

 

スーツは、チッチョ。上木規至さんが主宰する、いま東京にあって、最注目のテーラーです。

「チッチョで作るのは、もう3着目です。他にも、フィレンツェのリベラーノ、コルコス、ナポリのルビナッチやピロッティ、アンブロージ、ミラノのティンダロ・デ・ルカ、パリのチフォネリなどで洋服を作っています」

なるほど、すべて“今をときめく”テーラーばかり。ウチのユーコー・フジタが、「用もないのに」寄って行きたがるところです。

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シャツは香港のアスコット・チャン。タイはリベラーノのス・ミズーラ。チーフは、エルメス。彼女からのプレゼント。マイケルさんは以前、香港に住んでいたこともあり、その時THE RAKE JAPANのサイトでも連載をしてくれているジ・アーモリーのマーク・チョウさんと懇意になって、さらにクラシック・ファッションの世界にのめり込んだそうです。このへんの、アジアの“ものすごくお洒落な人たち”は、みんな繋がっているんですよね。

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時計は、ランゲ&ゾーネのランゲ1タイムゾーン。ランゲ1いいですよね。私も、ずっとずっと欲しい時計のひとつです(買えないまま死ぬ可能性大)。これは世界中の時刻がワンタッチでわかるワールドタイム機能が付いていて、まさにマイケルさんのような人のためにあるような1本です。

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シューズは、ジョージ・クレバリー。サイドがエラスティックになっていて、一見レースアップ・シューズなのに、実は紐部分はダミーで、着脱が非常にラクという一足です。クレバリーの代表作とも言われていて、私ももし、クレバリーでオーダーするなら、まずコイツですね(出来ないまま死ぬ可能性大)。

 

このシリーズは、いつも登場人物の勤務先や街角にて撮影することが多いのですが、今回は珍しく、ご本人のご自宅にて取材をさせて頂きました。そこで驚いたのは、洋服のみならず、部屋のインテリアもメチャクチャ格好よかったことです。

「カスティリオーニのアルコが似合う部屋」と言えば、インテリアに詳しい人は、ピンとくるでしょう。広いリビングに置かれたイタリア製のレザーソファと大画面のテレビ、B&Oのオーディオシステムなど、まるでショールームのようです。

 

ワードローブも見せて頂きました。ベッドルームに併設されたウォークイン・クロゼットには、紺やグレイのスーツ類、ブラウン系のジャケット類、白〜ブルー系のシャツが整然と並んでいました。こういうお洒落な人のワードローブを、間近に拝見することは、何よりお洒落の勉強になりますね。ひとつ言えることは、本当にお洒落な人のワードローブは、いつも“地味”だということです。それにしても、こういうプライベートな部分を、気さくに見せてくれるところは、アメリカ育ちの方ならではです。

 

マイケルさんに、弁護士になった理由を問うと、

「私はおしゃべりだったし、なにより弁護士はいい服を着ていたから」とのお答え。さてこれは日本流のマジメな答えなのでしょうか、それとも本場仕込みのアメリカン・ジョークなのでしょうか?

坂戸典之さん

坂戸典之さん

 株式会社エル.アイ.エス.代表取締役

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ギ ローバー、ドルモア、イレブンティ、エルネストなど、数々の人気ブランドのインポートを手掛けるエル.アイ.エス.代表取締役、坂戸典之さんです。

「会社を設立して来年で10年目になります。この10年を振り返ると、本当に大変でした。もう思い出したくないような、感慨深いような・・」

やはり、一つの会社を興して、その社長を務めるというのは、並大抵のことではないようです。

そのせいか、

「かつて46だったウエストは、今では50になってしまいました・・」

あ、その点は、大した苦労もせずに生きてきた私も、まったく同じです。

 

スーツはジャンフランコ・ボンメツァードリ。イタリアン・クラシックの名門で、エルネストはボンメツァードリ氏の義理の息子、エンリコが始めたブランドです。フェルラ社というベビーアルパカを得意とするミルの生地を使っています。エルネストを一躍有名ブランドに押し上げた、ブークレなどちょっとレディス調の生地は、ここが織っていることが多いのです。

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シャツはもちろんギ ローバー。リーノさんで有名なミラノのアルバザールが、ずっとこだわっていた”41K”というモデルで、ほぼ水平を描くカッタウェイ・カラーが特徴です。

「ギ ローバーって、もう25年もの間、ずっと日本のマーケットで人気があるのです。そんなブランドって、あまりないですよね」

 

タイはフィオリオ。ちょっと細めの7.5cm幅です。

「以前はネクタイの結び目をズラしていたのですが、もう止めました。スーツのシルエットがスマートになって来ているので、タイもきちんとループを通して、まっすぐ締めた方がいい」

 

チーフはアンドレアス。カシミア100%の花柄で、その名も“ミッレ・フィオーリ(千の花)”。

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時計はロレックスのオイスター パーペチュアル デイトジャスト。

「ヨドバシカメラで買って以来、もう20年くらいしています」

こうやって、ひとつの時計を長く愛するって、素敵なことですよね。何事も、長く愛するということが大事です(自戒)

 

ブレスレットはアンドレア・ダミコ。ベルト屋らしく、クロコダイル模様のシルバーブレスです。ベルトとウォレットチェーンもダミコ。

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シューズはオールデン。

「服の世界に入った時に、周りの先輩は全員オールデンを履いていました。それ以来、昔から、靴はオールデンかトリッカーズと決めています」

 

そしてソックスはドルモア。この小さな楕円が積み重ねられたような模様は“ビスコッティ(ビスケットの意味)”と呼ばれる柄で、かのジャンニ・アニエッリが愛用していたことで有名です。

 

「スーツが派手なので、ベルト、靴、小物を黒で揃えて、出来るだけシンプルにコーディネイトしてみました」

そのまとめ方は、さすがの一言です。

 

坂戸さんは、シップスのご出身。以前このブログにもご登場頂いた、鈴木晴生さんや中澤芳之さんは、よき先輩だそうです。

「クラシコ・イタリアに影響を受け、初めてピッティに行って衝撃を受けました。『なんでイタリアには、こんな格好いい人ばかりいるのだろう』って(笑)。メンズ・イーエックスは、毎号読んでいました。渋谷店のプレスをやっていたので、よく雑誌Beginにも登場していましたよ」

 

私の古巣、世界文化社の男性誌は、一貫してセレクトショップ文化と歩みを共にし、日本のメンズ・クラシック・ファッションを牽引して来ました。私もいまだに、そのおこぼれにあずかって、メシを食っているようなものです。

 

「イタリアのクラシックって、常に進化しているのです。衿や着丈などのサイズは、毎年微妙に変わっています。そこがアメトラとの一番の違いではないでしょうか。しかも高いクオリティに裏打ちされている。だから飽きられないのです」

 

なるほど、私もそう思います。これからの10年も、ぜひ日本とイタリアとの駆け橋として、がんばって下さい!