Interview: Stephan Winkelmann On Bugatti

最大のアイコン
「ブガッティ」が持つ
魅力について語りましょう

Wednesday, October 24th, 2018

text fumio ogawa

 

 

Stephan Winkelmann / ステファン・ヴィンケルマン

1964年生まれ。ローマで政治学を修めたが、ほとんどのキャリアは自動車ビジネスで積んできた。メルセデス・ベンツ、フィアットなどでマーケティングやセールスを担当。20051月から2016年まで、ランボルギーニの社長兼CEOを務めたあと、アウディスポーツのCEOに。20181月にブガッティ・オートモビルのCEOに就任した。

 

 

 ブガッティは、自動車界のなかでも最もアイコニックなブランドのひとつだ。世界最速のスーパースポーツカーを手がけており、20163月に発表された最新モデル「シロン」は1500馬力の16気筒エンジンを搭載して時速420キロ以上で走ることが出来るという。

 

 最新の動きは、2018年のジュネーブ自動車ショーで公開された「シロン・スポーツ」だ。カーボンファイバーを使う部分を増やして18キロ軽量化するとともにサスペンションに手を入れ、スポーティな性格をより強化している。

 

 

英グッドウッドでの「ブガッティ・シロン」のデビュー風景

 

 そもそもブガッティは、1909年、イタリア出身のエットーレ・ブガッティを中心に、兄弟たちがモルスハイム(現在は仏アルザス地方だが当時はドイツ)に設立した自動車会社である。

 

 名声は、「T35B」による戦前のグランプリレースでの活躍と、超がつく世界の富裕層に向けての豪華でかつ高性能な車両により形作られた。デザイン面でも見るべきものが多く、とくに「Type 41ロワイヤル」(1927)や「Type 57アトランティーク」(1934)は、芸術品とも言われている。

 

 

1500馬力を誇る「ブガッティ・シロン」

 

 

 現在のブガッティ・オートモビルを率いるのは、ステファン・ヴィンケルマンCEOだ。ベルリンで生まれ、ローマで育ち、政治学を修めたが、生涯を通じてのキャリアは(いまのところ)クルマばかりである。20181月に現在のポジションに就く前は、アウディスポーツ、その前はランボルギーニを率いていたことで知られる。

 

 2018年秋に東京で会ったヴィンケルマン氏は、「同じスーツ姿で二回写真を撮られたことはない」という伝説どおり、スーツをシャープに着こなして登場した。インタビューの日に東京に到着したとは思えないほどはつらつとしていて、強いエネルギーを感じさせるひとである。

 

 

2018年にデビューした「ブガッティ・シロン・スポーツ」は軽量化されてよりスポーティなモデル

 

 

「ブガッティは、ほかのブランドと違うか。そうですね、やっぱりその歴史がですね。世界中のクルマ好きにとって特別なブランドで、その意味でも他を凌駕しています。私たちはいま、その存在感を守るべくクルマを開発しています。たとえば8リッター16気筒エンジンですが、どんな高級スポーツカーメーカーだろうと、これと同じものを作るのはまず不可能でしょう」

 

 東京・青山のショールームで、ブガッティブランドのソファ(!)に腰おろしながら、ヴィンケルマン氏が語りだしたのは、やはりというべきか、ブガッティというブランドへの思い入れだった。

 

 

500万ユーロで世界限定40台のみ売られる「ブガッティ・ディーヴォ」は仏人ドライバー、アルベール・ディーヴォから命名

 

 

「戦前、1920年代、30年代のブガッティはGTカー(レースカー)とリムジン(高級セダン)で知られていました。あらゆるボディタイプを作っていました。しかも航空機など他の分野まで活動範囲を精力的に広げていました。なんでも出来るメーカーだったんです。いってみれば、トレンドセッティングなブランド。それをいまも意識しますね」

 

 戦前の名グランプリドライバー、ルイ・シロンから名前をもらった「シロン」の価格は約300万米ドル。それでも2021年の生産予定ぶんまで売約ずみという。

 

 

クロームとレザーの芸術ともいえる「ブガッティ・シロン」のインテリア

 

 

「いくらなんでもそれでは待たせすぎなので、なんとかしなくては、というのが目下の課題です。でも同時に、新しいことにチャレンジしていくつもりです。世界最速のスーパースポーツというだけでなく、新しいテクノロジーについても積極的でありたいと考えています」

 

 ブガッティにはアパレルや周辺商品のコレクションもあるが、「残念ながらいまはそこまで考えられていません」とおしゃれなひとらしからぬ?発言が最後にあった。

 

 

 

「いま99パーセント、クルマのことを考えています。まだ時期尚早なのですが、若いひとにもブガッティを知ってもらいたい。それにはブガッティの絵が入ったTシャツも重要かもしれませんが、ゲームとか映画とか、インタラクティブな世界での存在感が欠かせないと考えています」

 

 またそのうち詳細がお話しできると思います。そう言って、笑顔とともにしっかりした握手で、インタビューは終わったのだった。

 

 

ブガッティ ジャパン

www.bugatti-japan.com/