MINI “Beyond Native"

ピッティ・ウォモでMINIが
カプセル・コレクション『BEYOND NATIVE』を発表

Tuesday, July 4th, 2017

 

text & photography akio lorenzo oya

 

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第92回ピッティ・イマージネ・ウオモ会場のMINI FASHIONパビリオン

 

 

 イタリア・フィレンツェを舞台にした世界屈指の紳士モード見本市『ピッティ・イマージネ・ウオモ』。2017年6月13日-16日に開催された第92回に、MINIは今回も特設パビリオンを会場のほぼ中央に設営した。

 

 MINIは2015年からピッティで、新進クリエイターたちとのコラボレーションを展開してきた。カーブランドが、この著名ファシッション・イベントに参画するのには理由がある。

 

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MINI FASHIONパビリオンは、会場であるバッソ城塞の中庭、ひときわ目立つポジションに特設された。

 

 1959年に誕生した初代MINI はデザイン・アイコンとして当時のファッショニスタやトレンドセッターに愛された。そのDNAを受け継いでの試みである。

 

 同時に今日のMINIによれば、同ブランドは「革新と新しい価値の創造をブランドDNAとし、車というカテゴリーを超越して同じ志を持つ仲間たちと互いに刺激し合いながら伝統を発展させ、人と環境により快適で創造的な未来を築いてゆくこと」を模索している。それらを実現するためのひとつのフィールドが、このピッティという位置づけだ。

 

 

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左からニイ・オクボイェージョ(ポスト・インペリアル)、ツォウ・ジュンとリー・ユシャン(プロナウンス)、エドヴィナ・ホール、國井義明、アレックス・ゾンダーエッガー(エドヴィナ・ホール)、ディエゴ・ヴァナシバラ、ヨハンナ・ペレット(ペレット・シャード)。

 

  今回のカプセル・コレクションのテーマは『BEYOND NATIVE』だ。「異文化や生活様式の間で往来を楽しむアーバン・トラベラーのためのファッション・アイテム」に、出身国とは異なる都市で活躍する5つのレーベル&デザイナーが挑んだ。

 

 

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ブラジル生まれでロンドンを拠点とするディエゴ・ヴァナシバラと、彼がデザインした「アーバン・トラベラーのための靴」。

 

 ブラジル南部に生まれて、現在ロンドンを拠点とするシューズ・デザイナー、ディエゴ・ヴァナシバラが提案した靴は、伝統的なダービースタイルを踏襲しながら、ラバーとテキスタイルを融合した革新的なソールをもつ。レーザーカットによって無数の穴が開けられたカウハイドのアッパーは、「ブラジルの民族が祝祭時に施すボディペインティングから着想を得た」と解説する。

 

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ナイジェリアを故郷にもち、ニューヨークで「ポスト・インペリアル」を主宰するニイ・オクボイェージョと、「アーバン・トラベラーのためのスカーフ」。

 

 ナイジェリア出身で、現在はニューヨークのハーレムで『ポスト・インペリアル』を主宰するニイ・オクボイェージョによる回答はスカーフだ。ナイジェリアに分布するヨルバ民族に伝わる染色法を、本来コットンに施すところをシルク上に表現した。プリントされたパターンは「今日、本国でも祝祭時のみでしかみられなくなったもの」と話す。

 

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オーストリア出身で東京をベースに活動するエドヴィナ・ホールによる「アーバン・トラベラーのためのコート」。

 

 オーストリア・ザルツブルク生まれで現在東京をベースとするデザイナー、エドヴィナ・ホールは、ユニセックスのコートで臨んだ。トレンチコートのディテールを踏襲しながらも、マテリアルはピュア・インディゴで染められた麻製で、裏地には墨コーティングが施されている。

 

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中国をルーツとし、イタリアを拠点とするツォウ・ジュン&リー・ユシャンの「プロナウンス」による「アーバン・トラベラーのためのフーディー」。

 

 中国を起源とし、イタリアをベースに『プロナウンス』レーベルを展開する周俊(ツォウ・ジュン)と李雨山(リー・ユシャン)は、トラベラーのためフーディーを提案。シルク、デニム、そしてジャージーを合わせたそれは、「旅先でウォッシュマシーンに放り込め、ドライクリーニング不要な、旅のピースを目指した」と李は解説するが、非対称のポケットなど、各所に独自のキャラクターを散りばめている。

 

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ベルリンを拠点とするヨハンナ・ペレットと、ベトナム出身のトゥツィア・シャードによるレーベル「ペレット・シャード」による「アーバン・トラベラーのためのポーチ」。

 

 『ペレット・シャード』は、「フランス/ドイツ双方の文化に接しながら育った」というヨハンナ・ペレットと、ベトナム出身のトゥツィア・シャードが出会って誕生した新進レーベルである。彼女たちが手がけた「アーバン・トラベラーのためのポーチ」は、超軽量素材のパラシュート・シルクをマテリアルとしながら、コードにはベトナムの漁師のロープからヒントを得た滑りにくいものが用いられている。

 

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MINI FASHIONパビリオンの広いテラスは、ファッショニスタたちにとって情報交換や憩いの場となった。

 

 会期2日目の6月14日には、参加デザイナーたちによるデザイントークもオーガナイズされた。席上、参加デザイナーたちは、とくに他文化と接することによる刺激と成長を強調した。加えて、前述のエドヴィナ・ホールは、京都の乾燥納豆「大徳寺納豆」を集まったファッショニスタたちに振る舞い、その歴史的携行食が旅人によって食糧としてだけでなく、旅先故郷に思いを馳せる味であったことを解説。出身国のアイデンティティを維持しながら、新たな地で模索を続けるトラベラーをテーマにしたコレクションにふさわしいエピローグとなった。

 

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6月14日夕方、MINI FASHIONパビリオンで催されたライブ演奏。

 

 なお今回のBEYOND NATIVEに展示された各作品は、 MINI FASHIONカプセル・コレクションの第三弾として、2017年秋からオンラインで数量限定発売される。

 

www.mini.com/FASHION