JOHN T.A.VANDERSLICE INTERVIEW

大阪・中之島に誕生した
スマート・ラグジュアリーホテル
「コンラッド大阪」の魅力とは?

Saturday, June 17th, 2017

ヒルトン ラグジュアリー&ライフスタイル ブランド グローバルヘッド

ジョンT.A.ヴァンダースライス

 

text kentaro matsuo

 

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JOHN T.A.VANDERSLICE

ジョンT.A.ヴァンダースライス

1961年、ニューヨーク生まれ。ボストン・カレッジ経営学部卒業。レストランやスパを含む様々なホスピタリティ企業で役員職を経験。全世界で65のレジャー・リゾートを擁するクラブメッドのアメリカ法人にて社長兼CEO。2009年ヒルトンに入社。ヒルトンが世界で展開するラグジュアリー&ライフスタイルブランドの統括責任者として「ウォルドーフ・アストリア・ホテルズ&リゾーツ」「コンラッド・ホテルズ&リゾーツ」「キャノピーbyヒルトン」という3つのブランドの指揮を執っている。

 

 

 

 近年発展著しい大阪の街に、また一つ新しいランドマークが誕生した。中之島フェスティバルタワー・ウエストの最高層階(33〜40階)を占める「コンラッド大阪」である。ヒルトン・グループの最上級ブランドであるコンラッドとしては、東京に次ぎ、国内2軒目となる。

 

 そのコンセプトは“Your Address in the Sky-雲をつきぬけて-“というもの。ロビーや客室には大きな窓が設えられており、地上200メートルの高さから、大阪のビル群と遥か遠くに連なる山々、2つの川が運ぶ豊かな水が流れ込む海を見渡すことができる。

 

 164室ある客室のすべてが50平米以上の広さを誇り、ゲストはゆったりとした滞在を楽しめる。バラエティ豊かな4つのレストランと、バー&ラウンジ、最新鋭のAV機器を備えたバンケット、スパ、プール、24時間オープンのフィットネスクラブ、素晴らしい眺望のウェディングチャペルなど、その設備は国内随一といえる。

 

フェスティバルタワー・ウエスト外観

「コンラッド大阪」は、大阪・中之島に誕生した、中之島フェスティバルタワー・ウエストの33~40階を占める。

 

 今回、オープンに合わせて来日した、ヒルトン ラグジュアリー&ライフスタイル ブランド グローバルヘッド、ジョンT.A.ヴァンダースライス氏にインタビューする機会を得た。

 

「このホテルには3つの魅力があります。1つめは“大阪”ということ。私は最近いくつかの週末を大阪にて過ごしましたが、ここは本当に活気に満ちた街です。80軒ものミシュラン星付きレストランがあるところなんて、そうはないでしょう。東京におけるコンラッド・ブランドの大成功を受けての進出ですが、大阪での成功も間違いありません。

 

 それから2つめは“デザイン”です。ホテル自体のデザインにこだわったのはもちろん、加えてここには、たくさんのモダンアートが飾られています。アートはラグジュアリーを愛するゲストにアピールできる、よき手段なのです。われわれはゲストとの“コネクション”を何よりも大切にしています。

 

 そして3つめは、“チームのエネルギー”ということです。ホテルはオープンしたばかりですが、どのスタッフも真剣になっているのが伝わって来ます。ヒルトンの社是は、“ホスピタリティ”ということです。すべてのスタッフが、いかにしてお客様に喜んでもらえるかを考えているのです」

 

40階ロビーエントランス①

ゲストを迎えるロビーラウンジ入口には、風神雷神をモチーフにした名和晃平氏のアート“Fu / Rai”が置かれている。

 

 コンラッド大阪には、国内最新のホテルとあって、数々のハイテクが導入されている。“コンラッド・コンシェルジュ”といわれるシステムもそのひとつだ。

 

「コンラッド・コンシェルジュは、スマートフォン用のアプリです。これを使えば、ルームサービス、モーニングコール、アメニティのチョイスなどを、スマートフォンを通じてリクエストすることができます。将来的には客室ドアの開閉なども可能になるはずです。コンラッドのお客様は、テクノロジーに敏感な方が多いですから、新しい技術はどんどん導入していきます」

 

 どういったゲストを想定しているのか、さらに具体的に聞いてみた。

 

「コンラッド大阪はさまざまゲストをお迎えすることになると思いますが、国籍は関係ありません。コンラッドは、ここ10年くらいで急速に増えている“ニュー・ラグジュアリー・カスタマー”と呼ばれる層をターゲットにしています。若々しく、溌剌としていて、しかも気のおけない人々です。“スマート・ラグジュアリー”というコンセプトを軸に、こういった新世代のゲストのリクエストにお応えするために、現時点で32のコンラッドがすでにオープンしており、さらに20の開業を予定しています」

 

 

コンラッドスイートラウンジ

 

コンラッドスイートバスルーム①

コンラッド大阪で最大の面積220平米を誇る“コンラッド・スィート”。天空に開かれた漆塗りのバスタブがゴージャス。

 

 ヒルトン・グループは、世界中で5000以上のホテルを展開し、14のホテルブランドを抱えている。ヴァンダースライス氏は、コンラッドに加えて、“ウォルドーフ・アストリア”と“キャノピーbyヒルトン”の責任者でもある。いまだ日本人には馴染みのない、2つのブランドについても聞いてみた。

 

「ウォルドーフ・アストリアは、“アンフォゲッタブル(忘れられない)”サービスをモットーとしています。すべてのゲストにはパーソナル・コンシェルジュが付き、胸がときめくようなサービスを目指しています。オーセンティックで記憶に残る“本物”をご提供したいと思っています。世界には26のウォルドーフがあり、さらに14が建設中です。

 

 対するコンラッドは、もっとセンスや直感に訴える存在ですね。ちょうど時計に例えると、ウォルドーフはロレックス、コンラッドはタグ・ホイヤーといったところでしょうか?

 

 キャノピーbyヒルトンは、もっと等身大のホテルです。それぞれの土地の特性を活かした、オープンな存在でありたいと思っています。部屋はコンパクトで使い勝手がよく、プライスも若干リーズナブルに設定しています。

 

 これらのブランドが日本に上陸する予定はないか、ですって? もちろん大いにありますよ。われわれのチームは、常にいい街、いいロケーション、そしていいオーナーを探しています。特にオーナーは重要ですね。正しいヴィジョンを持った、正しいオーナーが必要なのです」

 

(外資系ホテルの場合、オペレーションはヒルトンなどの国際的ブランドが担い、ホテル自体のオーナーは別企業であることが多い。ヒルトン大阪の場合は、朝日新聞社と竹中工務店がオーナー企業である)

 

40スカイバー_ラウンジ③

コンラッド大阪最上階、ロビー横に位置する“40 スカイバー&ラウンジ”。

 

 ホテルの話をしていると、実に楽しそうなヴァンダースライス氏に、そもそもホテル業界に入ったきっかけを聞いてみた。

 

「何かを人に提供する“ホスピタリティ”ということが好きなのでしょう。そしてチームとして働くことに、喜びを感じます。だからホテル業界は私にぴったりでした。

 

 これはヒルトン・グループの企業文化でもあります。実はヒルトンには、毎年一回、幹部が従業員に対する感謝の意を行動で表現する「特別な週」があるのです。この週ばかりは、上下関係が逆転し、いつもは上司であるエグゼクティブたちが料理を作って、スタッフにサービスしたりします。ヒルトン・グループには世界で35万人の社員がいますからね。私も忙しくなりそうです(笑)」

 

 世界中のあちらこちらを飛び回るヴァンダースライス氏の日常は、多忙を極める。そんな氏にとって、ホテル生活から離れ、マサチューセッツ州ケープコッドにある自邸にて、寛ぐ時が最高の贅沢だという。一般人とは真逆のライフスタイルである。

 

「休日には家にいます。私の趣味はゴルフとテニス。妻は馬術競技を嗜んでいます。私は3頭の馬のオーナーでもあるのですよ。私は馬には乗らず、もっぱら妻のスポンサーに徹していますが(笑)。

 

 26歳の娘と20歳になる息子がいます。娘は外交的だし、息子はファイナンスが得意。どちらもホテルには欠かせないものだから、いつかホテル業界に入ってくれるといいと思っています。

 

 実は私の父は、GE(ゼネラル・エレクトリック=米有数の歴史と規模を誇るコングロマリット)の取締役を務めていたのです。ですから幼い頃は、転勤また転勤でした。そうやって新しい場所や、新しい人々に出会うことに慣れ、それが好きになってしまったのです」

 

 まさにミスター・ホテルマンとでもいえそうなヴァンダースライス氏は、次の言葉でインタビューを締めくくってくれた。

 

「ラグジュアリーを愛するTHE RAKEの読者には“カレンダーが真っ白なところが、本当のラグジュアリーである”というリチャード・デイビス(米Departure誌編集長)の言葉を贈りたいと思います。ラグジュアリーとは、何もないところから、あなた自身が見つけ出すものです。コンラッド大阪にて、ぜひあなた自身のラグジュアリーを発見して頂きたいですね」

 

 

コンラッド大阪

住所:大阪市北区中之島3-2-4

Tel.03-6222-0111

www.conradosaka.jp