THE RAKE JAPAN from Yuko Fujita

THE RAKE JAPAN副編集長、藤田雄宏が取材した、
世界中の友人たちや気になるウェルドレッサーたちをご紹介します。

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Kenichi Hatsuta(United Arrows)

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  • In Tokyo
  • On Jun 26th, 2017
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初田健一(United Arrows)

photography & text  Yuko Fujita

_MG_2554A

suit    Sartorio

shirt    Salvatore Piccolo

tie    Holliday & Brown

belt    Charvet

Shoes  Edward Green

pocket square   Simonnot Godard

watch    Rolex

 

ユナイテッドアローズにはTHE RAKE JAPANのissue 15の特集「The 10 Rakish Men」のひとりにも選ばれた鴨志田康人さんを筆頭に

世界的なウェルドレッサーの方たちがたくさんいますが、今回ご登場いただいた販売部 部長の初田健一さんは、

鴨志田さんとはまた異なるアプローチでいつもエレガントなスーツスタイルを見せてくれる、UAを代表するスーパー ウェルドレッサーです。

初田さんはUAの中ではコンサバティブなスタイルを好む方ですが、実はミクロの世界でアップデートされていて、

僕はそんな初田さんのスタイルがとても大好きです。

前からぜひご登場いただきたいなと思っていた、僕が最もリスペクトしている先輩のひとりでもあります。

2つボタンスーツのあえて下のボタンだけ留めたスタイルといいポージングといい、めっちゃ絵になっていますね!

 

初田さんは僕の2つ上の1973年生まれ。

17歳のときにユナイテッドアローズの渋谷店がオープンし、その頃からUAでバリバリ買い物をしていたという根っからのUAラバーです。

ちなみに高校生の頃はラルフ ローレンの古着にゴローズのアクセサリー、ヴィンテージのジーンズにレッドウィングなどを合わせていたバリバリの渋カジ系だったそうです。

「大学生になるとこれまでのゴローズからクロムハーツに感化され、英国のシャツをかじってからルイジ ボレッリのシャツを着るようになって、

それにセントジェームスのバスクシャツ、グラミチのパンツを穿いて、グッチのビットサンダル、ウィグワムのソックスみたいな、

当時の流行であったアウトドアミックスを楽しんでいました。

その上にラルフ ローレンのブレザーを合わせたりして、今思うと無茶苦茶な合わせでしたね(笑)」

本人は謙遜していますが、こういうミックススタイルってセンスのよさがモロに問われるので、

かなりカッコよかったんだろうなぁと想像しています。

そんな初田さんが大学4年生のとき、原宿本店の店頭で人材募集の貼り紙を見つけ、アルバイトに応募したら採用され、

そのまま大学を卒業して正社員になりました。

_MG_2572時計はお父様の形見のロレックスのオイスター パーペチュアル デイトジャスト。「自分にはこれがちょうどいいんです」と初田さん。

 

UAに入ってからはより本格的にクラシコイタリアの世界を知るようになり、

ボレッリのシャツからはじまって、マロのニット、インコテックスのトラウザーズを合わせつつも、

そこにドリスヴァンノッテンとか、クリストフ ルメールを合わせたりもしていたそうです。

 

「原宿本店には、全身クロムハーツの怖そうなお兄さんがいたり全身デザイナーズブランドを着た人がいたかと思えば、

ピオンボのスーツを着て全部の指にクロムハーツを着ている人がいたりと編集の幅の広さがとても楽しくて、

そのミックス感、アヴァンギャルド感が好きでした」

 

初田さんは原宿本店のショップスタッフを3年間担当したのち、ザ ソブリンハウスに異動となり、

29歳でザ ソブリンハウスのバイヤー、30歳からUAのドレス部門のバイヤーを務めます。

2005年、32歳でMDになり、その後、企画・バイイングを束ねる調達部門の長に。

昨年からは販売部門の長を務めています。

 

_MG_2580ラバーメッシュベルトはシャルベ。

 

 

そんな初田さんに対して僕が抱いているイメージをひとことで言うと、ネイビースーツの着こなしにすごく長けたウェルドレッサー、です。

「先輩からは、紺のスーツをカッコよく着こなせないと、何を着てもダメだぞって、口を酸っぱく言われてきました。

そのときから、せっかくUAにいるのだからネイビーのスーツを一人前に着こなせるようになりたい、という思いが芽生えるようになりました」

 

お会いすると、だいたいいつもネイビーの無地のスーツを着られていて、それでいてマンネリ化していなくてとても洗練されているんです。

 

「目立つ格好をして個性を主張する表現方法もありますが、コンサバでいることも個性だと思っていて、

その中で出せる品のよさもあると思うんです。これ見よがしな格好はあまりしたくありません。

そういった意味で、誰もが着るベーシックなネイビーのスーツをきっちり着こなしたいという思いは、人一倍強いかもしれません」

 

初田さんの場合、ネイビーの無地といってもコットンもツイードも着るし、モヘアに関しては1年を通して愛用しています。

 

「冬でもモヘアのネイビースーツを着ているのですが、品よくどこでも向き合えるような気がするんです。

今はUAでもザ ソブリンハウスでも1年中モヘアスーツを展開していますが、モヘアならではの光沢とかシワの入り方が好きなんです。

新しいブランドを見つけると、必ずといっていいほど最初にモヘア混のネイビー無地のスーツを作ります。

自分でグレンチェックやブラウンスーツを着ると、どうしても違和感があるんです」

 

_MG_2560スーツはシングル2Bのピークトラペル仕様。小ぶりなシャツの襟にタイのノットをギュッと絞って。

 

それと、初田さんのスタイリングで注目したいのが、ネックサイズにこだわったシャツです。

すごく参考になると思ったのは、ネックサイズを1サイズあげて、ネックポイントを下げて着ている点です。

これはすごく今の気分だなって思うし、そういう感覚的なところでこだわっているのは、やっぱり初田さんならではだと思います。

 

「シャツの台襟は高いものより低いほうが好きですし、

サイズもジャケットを脱いだときにそこそこのゆとりがあって、少しブランジングしているくらいが好きなんです。

今春夏からターンブル&アッサー(ロンドンストライプよりやや太い、ピンク、イエロー、コバルト、ネイビーなどの

ブッチャーストライプをラインナップ)を展開し始めたんですけど、

日本人向けサイズではなくボディではなくあえて本国ボディで展開しています。

男性が肩の力を抜きつつ品よくシャツを着るには、

今は英国ボディのシャツをノータイで合わせるくらいのほうが素敵に見えると思うんですよね。

英国のシャツはイタリアのシャツよりも襟腰が低くて襟も少し硬いんですけど、

そういうのをボタンをはずしてサラリと着るのがカッコいいなって。

襟の開きがトゥーマッチすぎないのもいいですね。

人から見るとわかりにくいのですが、レストランとかでひと目で洋服屋とわかるこれ見よがしな格好は、

自分のスタイルではないんです。

とはいえ、ファッショニスタたちの輪の中にいても違和感がないスタイルを心がけています」

 

ちなみにネクタイに関しては、鴨志田さんも言ってましたが、今はプリントものが断然気分だそうです。

 

「プリントのネクタイはディープな世界、コンサバな世界が気になっているぶん、ネクタイで自己主張を出すのが自分らしいかなと。

台襟が低めの小ぶりな襟で、ネクタイのノットはギュッとコンパクトにして端正な感じでいきたいですね。

あまり幅広いネクタイで主張するのも好きではないので、やや細めのものを好んでしています」

 

色数は絞ってコーディネイトしながら、シャツとタイに工夫を凝らすことで、すごく端正なスタイリングに仕上がっていますよね。

シャツのブルーのトーンも然り、べーシックだからこそ自身のこだわりを細かなところにまで反映していることころはぜひ参考にしたいところです。

 

_MG_2582靴は808ラストが登場したときに購入したというエドワード グリーンの「BEAULIEU(ビューロー)」。

 

 

「イタリア人だとマッシモ・ピオンボなんかもそうですけど、いつもブルックス ブラザーズの擦り切れたボタンダウンシャツを着ていて、

自分が作るものからは想像できないシンプルな恰好をしていますよね。

表現したいものと、自分の身に着けるものとの境をしっかり作っていて、自分のスタイルを貫き続けているんです。

フェルモ フォッサーティのオット・マンテーロにしてもいつもボウタイをしていて、独特の雰囲気があります。

コンサバティブでいることが絶対にいいというわけではないですけど、やり続けていればそれが個性になるわけです。

紳士の世界はそこが面白いし、自分もそういうふうになれたらいいなと思います」

arrow-left Gary Tok (Author of "Master Shoemakers")
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