THE RAKE JAPAN from Yuko Fujita

THE RAKE JAPAN副編集長、藤田雄宏が取材した、
世界中の友人たちや気になるウェルドレッサーたちをご紹介します。

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クラランス・ウォン(Clarance Wong )

 

text & photography yuko fujita

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suit  Clarance Wong(Bespoke)

shirt  Minami Shirts(Bespoke)

tie  Viola Milano

shoes  Roberto Ugolini(Bespoke)

watch  Patek Philippe

 

 

広州で自身の名を冠したテーラーをもっている実業家のクラランス・ウォンさんです。

 

今年の6月、フィレンツェの宮平康太郎さんのサルトリアへ仮縫いに伺った際、

香港の生地エージェントの友人たちと工房の見学にやってきたクラランスさんと鉢合わせ。

聞けば広州にテーラーショップをもっていて東京にも頻繁に来ているとのこと。

以来、東京に来るたびに連絡をくれるようになり、ハシゴ酒をするほどの仲よしになりました。

「広州にも遊びに来てください」と言われ続けてきたので、

偉大なる広州グルメを堪能がてら、彼のテーラーショップを視察してきました。

 

 

今、アジアのクラシックブームを牽引しているショップオーナーはスーパーお金持ちの家庭に生まれ育った人ばかりですが、

クラランスさんはちょっと毛色が異なります。

 

彼は1985年に広州で生まれ、ずっと広州で育ってきました。

中学時代は常に学年トップの成績で、広州でいちばんの名門高校に入学するも、

親を病気で亡くしてしまい、経済的苦境に立たされ1年生で中退。

その後は自宅に引き籠ってネットゲームに明け暮れ、

アルバイトで最低限の生活費を稼ぎながら貧しい生活を送ってきたそうです。

 

その当時の胃袋を支えていたのが、地元の美味しい餃子屋さん。

今回、そこに連れていってもらったのですが、これがもうメチャ旨!

取り皿にニンニクをドバッと盛って食すので顔から汗タラタラですが、病みつきです。

4日間で3回も行ってしまいました。

ちなみにその店では200円ほどでおなかいっぱい食べられます。

 

あ、話が脱線してしまったのでもとに戻しましょう。

高校をやめてからネットゲーム→餃子→バイト→ネットゲーム→餃子→バイトという生活を送り続けてきたクラランスさんですが、

このまま何もしなければ貧しい生活からいつまでたっても抜け出せないのではという不安に駆られ、

19歳のときに独学で日本語を学びはじめます。

東大受験生のごとく猛烈に勉強したそうで、日本語はメキメキ上達。

外語短大にも合格し、在学中に見事日本語検定1級を取得しました。

 

卒業後は日本の大手メーカーの広州支社で営業アシスタント、商社の営業、アメリカの大手メーカーのマーケティングと

キャリアを積んで、2013年に起業。

ここから彼の人生は大フィーバーに沸きます。

 

エジプト航空の中国総代理店の権利を取得し、2014年に広州に自身の名を冠したテーラー「Clarance Wong」をオープン(現在3店舗)。

同年、香港にコーヒーショップ「Brew Bros」をオープンさせ(現在2店舗)、

今年の5月にはベーカリー「藤王」(パン職人の藤田圭亮さんが焼いていて、めちゃウマ!)を

広州の中心地にオープンさせました(現在2店舗)。

 

「今日の中国は目まぐるしく変化しています。

街はエネルギーに満ちていますが、ビジネスの競争は大変厳しく、勝ち負けが非常にはっきりしています。

それでも自分次第で大きく成長させられる可能性を秘めているから、仕事のやり甲斐はありますね。

特に発展途上の段階にあるテーラーの世界にはすごく可能性を感じます」とクラランスさん。

 

世界中を飛び回っているときにヨーロッパを中心とする紳士の文化に触れ、ファッションやライフスタイルに興味をもちはじめ、

それらの文化を生まれ育った広州にも広めたいという思いのもと、自身のテーラーショップをオープンさせました。

彼の夢は中国全土の大都市に自分のお店をもち、たくさんの中国人をお洒落にすることだそうです。

そのためには中国社会にテーラード文化を広めていかねばなりません。

そういえば今回、広州ではネクタイをしている人はあまり見かけませんでしが(もちろんいることはいますが)、

それは北京も上海も一緒でした。

 

「ネクタイをビシッと締めることのカッコよさを知ってもらい、それを理解してもらえれば、

この国の若い人たちにテーラー文化が爆発的に広まっていく可能性はあります」

 

僕の滞在中、クラランスさんのお店には毎日ひっきりなしにお客さんが訪れ、

日本円で25万円ほどする高価なオーダースーツの注文がポンポン入っていく様子に唖然とさせられました。

もうすでに革命は起き始めているのかもしれません。

 

とにかくスピード感と実行力のあるクラランスさんですから、3年後の彼がどうなっているのか、

そして中国のテーラードシーンをどういう方向へと導いていってくれるのか、今からとても楽しみにしています。

 

 

_mg_0715_01_f01香港から招聘したマスターテーラーの賴 亜鐵さん。73歳の氏がテーラーの道に入ったのは11歳のときだそう。

 

 

_mg_0738_01_f01bこの日の時計はパテックフリップ「5146J」。

僕が20年愛用している時計と友情の証に交換しようとナイスな提案をしたら、困った顔をされて断られました(笑)。

 

 

_mg_0748_01_f01靴はフィレンツェのロベルト・ウゴリーニ

 

 

_mg_0825_01_f01Clarance Wong Bespoke Tailoring

107, 6#, Hua Jiu Road,Zhu Jiang New Town, Guangzhou

廣州市珠江新城華就路6號107號鋪  Tel. +86-(0)20-3833-6330