THE RAKE JAPAN from Yuko Fujita

THE RAKE JAPAN副編集長、藤田雄宏が取材した、
世界中の友人たちや気になるウェルドレッサーたちをご紹介します。

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ゲーリー・トック GARY TOK (Author of  “Master Shoemakers”)

 

text & photography Yuko Fujita

Gary Tok_MG_9863

suit Liverano & Liverano

shirt Mystery Tailor

tie Vanda Fine Clothing

shoes Il Micio

 

 

今、世界は空前のビスポークブームです。

 

かつては英国、イタリア、フランスを中心とした紳士の文化だったビスポークですが、

一流とされるテーラーやシューメーカーは、ここ数年で今最もホットな北欧を含めたヨーロッパ各国、アメリカやカナダ、

そしてアジア、オセアニアにおいても人気となり、世界のウェルドレッサーたちはビスポークに夢中です。

 

素晴らしい腕をもったニッポンの職人さんたちも世界のウェルドレッサーたちからかなりの注目を集めており、

日本人の職人が世界を飛び回ってトランクショーを開催することは、今やなんら珍しいことではなくなりました。

 

と、大いに盛り上がっているビスポークシーンの中にあって

昨年末にビスポークシューズのフォトブック『Master Shoemaker』を刊行したGary Tokさんは、

日本人を除いたアジア人の中でいち早くこの世界に足を踏み入れたビスポーク アディクトです。

 

Garyさんは1974年にマレーシアで生まれ、15歳でシドニーに渡り、大学で経済を学んだのち、

2006年からは香港に拠点にして経営コンサルタントとして活躍されています。

 

「メンズクロージングの世界に興味をもったきっかけは、香港のテーラーW.W. Chan & Sonsと出会った2006年からです。

彼らの素晴らしい仕立てに触れたことで、私の魂はビスポークの世界へと誘われました。

そこからフィレンツェやナポリなどのさまざまなテーラーで仕立てるようになり、

靴の世界にも自然と足を踏み入れるようになったのです。

2010年、熟考を重ねて仕立てた深谷秀隆さんのIl Micio が、私にとって初めてのビスポークシューズとなりました。

彼の靴の素晴らしさに触れ、以来、ビスポークの深淵なる世界にどっぷりと浸かるようになりました。

自分の足のことをよく理解した職人に仕立ててもらった靴は、他のどの靴よりも特別なものであり、

ビスポークは自分自身の探求の旅でもあります。

この本を出した一番の理由は、情熱と完璧な美しさがもたらす素晴らしい物語を紡ぎたかったから、

そしてその素晴らしさをより多くの人に知ってもらいたかったからです」とGaryさん。

 

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仕上げるのに5年の歳月を要したという同書の中で紹介されているのは、

Anthony Delos, Hidetaka Fukaya, Dimitri Gomez, G.J.Cleverley, Stefano Bemer, Benjamin Klemann,

Foster & Son, Saskia Wittmer, John lobb, Roberto Ugolini, Gaziano & Girlingの11シューメーカー。

ほとんどすべての写真をGaryさんが撮影しており、彼の写真の文章の隅々に、文化へのリスペクト、職人そして彼らの作品への愛情が感じられます。

 

そんなゲイリーさんに日本のビスポーク靴職人の魅力を訊ねると、

「日本の靴職人は、イギリス、フランス、イタリアと世界各地で学んでおり、さまざまなスタイルの靴があります。

歴史に敬意を払いながら、それを進化させてオリジナルを凌駕する素晴らしい靴を作っています。

そこが日本の職人の凄さだと思います」とのこと。

僕もまさしくそこが、ニッポンのビスポーク職人の魅力であると思います。

 

 

ちなみにこの日着ていたLiverano & Liveraoのウインドウペーンスーツは、The London LoungeのGianni Agnelli Tweedで仕立てたもの。

シャツはMystery Tailor。お気に入りのシャツ屋さんでス ミズーラしたもので、詳しいことは秘密とのことです(笑)。

タイはシンガポールのVanda Fine Clothing。

 

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スエードのダブルモンクはIl Micio。

 

Gary Tok_MG_9967時計はパネライの「Radiomir 1936 PAM 249」。

 

ビスポークの世界に足を踏み入れて間もない愛好家の方たちは、ついつい足し算しすぎてディテールを盛りがちになりますが、

Garyさんの装いは至ってシンプル、そして大変洗練されています。

生地のセレクト、色使いや素材合わせ、こなしに彼独自の美学が感じられます。

Garyさんみたいなウェルドレッサーがアジアでもっと増えれば、これからこの世界はもっともっと面白くなっていくはずです。

 

 

 

さて、気になる本の中身はこんな感じです。

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こちらは今、ベルルッティのビスポーク部門責任者にもなっているAnthony Delos。

僕も8年くらい前に彼の工房に取材に行ったことがあり、衝撃を受けたのを覚えています。

 

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こちらはFoster & Son。痺れるカッコよさです!

 

全256ページ、美しいビスポークシューズの数々は見ごたえたっぷり。

その美しさに惚れ惚れしてしまいます。

靴を愛する方たちにぜひ手にとっていただきたい一冊です。

ちなみに日本ではBryceland’sで購入できます。