Thursday, May 24th, 2018

VASILIY AND ETTORE PIACENZA
情熱はDNAによって受け継がれる

ヴァシリーとエットーレ兄弟が、14代続くイタリア、ビエラ地方の名門にして、
ラグジュアリー・ビジネスを牽引するピアチェンツァ家について語る。
text ben st.george photography kim lang

ファミリーが持つパラッツォにて寛ぐエットーレとヴァシリー

エットーレ:「ビジネスを続けるということは、間違いを犯し続けるということでもあります。失敗は成功のもとなのです。この世界に入ったばかりの頃は、ミスばかりしていました。しかしそれらから学んだことも多くあります。仕事に慣れるにつれて、ブランドにとってのいいことと悪いことが理解できるようになってきました。他のブランドにとってはよくても、私たちにとっては悪いこともあるのです。一見たくさんの製品を売ることができる、素晴らしいビジネスチャンスに思えても、それはマーケットの罠だったりするのです。その判断はとても難しいのですが、誠実さを持って事にあたれば、自ずと正解は見えてくると思います」 

ヴァシリー:「私たちの強みは、品質と歴史を兼ね備えているところだと思います。ピアチェンツァの商品を買うということは、単に商品を買うだけでなく、私たちの誇る歴史をも買うということなのです。500年にもわたるイタリアとビエラの歴史です。ここは生地産業の故郷だということを、顧客の皆様にも知ってほしいのです」

ヴァシリー:「私たちのファミリーは、私たちのやっている事に対して、大きな情熱を持っています。私たちにとって、最も重要なことは『なぜ?』と問い続けることかもしれませんね。なぜ、私たちは生地を作り続けるのか? それは私たちが、それを愛しているからです。愛していることならば、一生懸命やるし、きっと結果も出せるでしょう」

ヴァシリー:「私たちの子供にも、ビジネスを継いでほしいとは思っています。心からそう願いますね。しかし強要はしないつもりです。私たちの父親は、かつてこう言いました。『これが私のやっていることだ。しかし、お前たちはラッキーだよ。なぜなら、もしお前たちに他にやりたいことがあれば、会社を継がず、それをやってもいいのだから。もし後継者がいなくて会社を売ることになったら、それは私にとっては悲しいことだけれどね』と。しかし今では、そういったことは起きないと断言できます。私は、情熱というものはDNAの中に組み込まれているのではないかと思います。14代の時を経て、私たちが今も同じビジネスをしているのは、私たちの血の中に、きっと何かがあるのですよ(笑)」

THE RAKE JAPAN EDITION issue 21
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