Wednesday, June 13th, 2018

英国俳優が纏う
ジェントルマンスタイル

英国俳優で初めて「スーパーマン」を演じたヘンリー・カヴィル。
その完璧な身体――厚い胸板とシェイプされたウエストは、伝統的な英国スーツのスタイルにふさわしい、ノーブルとワイルドを漂わせる。
text shiho atsumi photography kalle gustafsson
fashion direction jo grzeszczuk special thanks to Mark’s Club

Henry Cavill
ヘンリー・カヴィル

1983 年イギリス、チャンネル諸島生まれ。2002 年に映画俳優としてデビュー。イギリスの大ヒットドラマ『THE TUDORS~背徳の王冠~』で主要キャストを演じ注目を集め、13 年『マン・オブ・スティール』で新たなスーパーマン役に抜擢。以降『ジャスティス・リーグ』シリーズを牽引する2018年公開予定の『ミッション:インポッシブル6』にも出演。

英国人が初めて演じたアメリカンヒーロー

 1999年、映画『プルーフ・オブ・ライフ』のロケーションで、イギリスの名門ボーディングスクール「ストウ・スクール」を訪れたラッセル・クロウは、エキストラのある少年に「俳優ってどんなお仕事ですか?」と声を掛けられる。「いいときもあるが、悪いときもある。本当になりたいなら、目指し続けることだ。苦労もするだろうけどな」。クロウは14年後の作品『マン・オブ・スティール』で、その少年の父親役を演じることになろうとは思いもしなかっただろう。少年の名はヘンリー・カヴィル。英国人で初めて「スーパーマン」を演じた俳優だ。「ラッセルとの共演は素晴らしい体験だった。最初に“僕は俳優になりましたよ”とラッセルに挨拶したら、彼は僕のことを覚えていてくれたんだ。あの当時、“千マイルの道も最初の一歩から始まる”という言葉を書き添えた『グラディエーター』の写真をもらったのを覚えてる。『グラディエーター』は僕が最も大きな影響を受けた作品でもあるんだ。歴史好きというのもあるけれど、ラッセルの演技は本当に素晴らしかった。僕が“時代もの”の脚本を読むときの基準にもなっている。何かしら『グラディエーター』を超えるものはあるか、あのレベルに達しているか、っていうね」
 2002年の『モンテ・クリスト伯』を皮切りとしたキャリアでカヴィルが高い評価を得てきたのは、いわゆる「歴史もの」「時代もの」だ。極めつきは英国王ヘンリー8世をめぐる権謀と愛欲を描いたテレビドラマ『THE TUDORS ~背徳の王冠~』(2007~2010年)。寵臣チャールズ・ブランドン役を演じた彼の端正な顔立ちと完璧な肉体は、『インモータルズ― 神々の戦い―』(2011年)でのギリシャ神話の英雄テセウス役を経て、ついにスーパーマン役を引き寄せることとなる。
「選ばれたときはいろいろ考えたよ。プロデューサーは『ダークナイト』のクリストファー・ノーランだし、監督は『300〈スリーハンドレッド〉』で厳しい肉体改造をさせたことで知られるザック・スナイダーだったしね。でもすべての心配を逆にポジティブに楽しもうと思った。彼らと仕事ができるなんて、これ以上エキサイティングなことはないからね」
 2005年には「007」の最終候補となったが、「若すぎる」という理由でダニエル・クレイグにその役を譲った。それを埋め合わすように主演したスパイ映画『コードネームU.N.C.L.E.』(2015年)は、もとをただせばイアン・フレミングが企画に関わった人気ドラマ『0011ナポレオン・ソロ』のリメイク。厚い胸板とシェイプされたウエストでスーツを着こなす女たらしの二枚目スパイは、まだ34歳の彼がスーパーマンの後にジェームズ・ボンドを演じる可能性も感じさせる。レジェンダリーなふたつの役を演じる唯一無二の俳優への期待に胸が膨らむが、カヴィル自身は自分のキャリアをそうした大作アクションだけに終わらせる気はないようだ。
「僕としては“スーパーマン”とは真逆の役にもチャレンジしたいと思っている。いいストーリーがあり、いい脚本があり、いい監督さえいれば、なんだってやりたいね。俳優の身体は単なる道具にすぎない。クリスチャン・ベイルだって『バットマン ビギンズ』の主演と前後して、体重を数十キロ減らして『マシニスト』に挑んでいる。自分にも可能だと思うからね」

PHOTOGRAPHER’S ASSISTANT: MAGNUS PETERSSON
LIGHTING TECHNICIAN: RICHARD BARTRAM
FASHION ASSISTANT: ANNA PRENDERGAST
TAILOR: FRANCIS PALEY
GROOMING: AILBHE LEMASS / LINLEE MANAGEMENT

THE RAKE JAPAN EDITION issue 20

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