INVEST plus

一生愛せる、
ニッポンの職人が作る服 Vol.04

SARTORIA CAVUTO "Tweed Jacket"

Friday, July 13th, 2018

今や、世界一美しい手仕事とも称されている日本の職人たちであるが、

彼らの作品の中でも、まさに“一生もの”といわれているマスターピースを紹介する。

 

text yuko fujita photography jun udagawa styling akihiro shikata

 


 

サルトリア カブート の “ツイード ジャケット”

 

フィレンツェらしい優雅な丸みを帯び、軽やかさを追求した甲氏のジャケットは

ツイードで仕立てると、溜め息の出る美しさだ。

 

 

副資材を極力省いた軽やかな仕立てでありながら重厚感のある生地で曲線美の構築的なラインを築いている。スーツ¥450,000~、ジャケット¥320,000~。納期は4カ月~。写真のジャケットは¥420,000~。Sartoria Cavuto

 

 

 

フィレンツェの仕立てを進化させ

曲線と立体に長けたカットが色気を生む

 

 フィレンツェで修業し、独立してフィレンツェに工房を構え、2015年に日本に帰国した甲 祐輔氏は、東京に出てくることなく、生まれ育った石川県七尾市に工房を構えた。

 

 東京と距離を保っているからか、彼の服は決して東京色に染まることなく、むしろ甲色に、すなわちいい意味での独自性をさらに強めたようにさえ思える。

 

フィレンツェの服で難しいのが上襟の吸い付きだが、甲氏の服は首にきれいに吸いつくように仕立てながら、この低いゴージラインを表現しているのが見事。

 

 

ツイードを仕立てさせたら色気で右に出る者なし

 

 フィレンツェらしい丸みと軽やかな仕立てを全面に打ち出した服であるが、ヘビーウエイトの素朴で重厚感のある生地を好むからか、色気と朴訥とした雰囲気のバランスが実に素晴らしい。

 

 

立体的なラペルの返りは甲氏の仕立ての真骨頂。副資材を極力省きながらも、しっかりした英国生地の張力で見事な立体感を生み出し、それでいて着るととても軽いのが魅力だ。

 

 

 やはり、七尾の街が今の服へと導いてくれたのだろうか。彼特有の丸みを帯びた非常に立体的な仕立ては、張力のある生地でこそ、より生きてくる。そういった意味で、彼の服は唯一無二の輝きを放っている。

 

 


 

Yusuke Ko / 甲 祐輔

1981年生まれ。2003年にフィレンツェに渡り、リヴェラーノ&リヴェラーノにてフランチェスコ・グイーダ氏に師事。2012 年に独立し、2015年に帰国。故郷の石川県七尾市にて築130 年の町家を工房にし、好きなものに囲まれ、ゆったりした時間の流れの中で作業する。

 

 

サルトリア カブート

石川県七尾市木町19-1  cavutosartoria@gmail.com

年2回、東京・大阪・神戸で受注会を開催。次回は7月上旬予定。

 

 

←Vol.03 レスレストンの “ビスポーク シャツ”

→Vol. 05 ペコラ 銀座の“カシミア ハンティング ジャケット”