INVEST plus

THE RAKE通販で買える!
ジー ゼニアの洗えるスーツ

IN A SPIN OVER Z ZEGNA 02

Thursday, November 22nd, 2018

 

 筋金入りのサルトリアリストなら、Techmerinoで仕立てたスーツが従来の素材と同じように魅力的なシルエットや肌触りを実現しているかどうかが気になるところだろう。

 

「もちろんです」とサルトリは自信を持って答える。「フランネルのスーツには、従来のウールが持つ特性と当社の研究から生まれた先端テクノロジーが活かされています。いまやTechmerino Wash & Goコレクションにはシャツからスーツ、パンツからジャケット、アウターウェアからジャージまで揃っていますが、どれも洗って、水気が取れたら、日の当たらない場所に干せばいいだけです。これはテーラーリングの新たな方向性を示すものであり、スポーツウェアのアイディアを取り入れて、斬新で若々しくモダンなスタイルに仕立てた新世代の商品なのです」

 

 

 このコレクションはTHE RAKEにぴったりだとサルトリは言う。

 

「私たちの付き合いは長く、両者の価値観はよく似ていますから、我々はTHE RAKEで商品を販売するのが賢明だと考えたのです」

 

 Techmerino Wash & Goラインのすばらしいワードローブはさまざまな読者の目に留まるだろう。このフランネルスーツはいろいろな意味で、ロンドンのシティで働くビジネスマンにふさわしい。スリムフィットでソフトショルダー、シングルのツーボタン・ツーピースは、一部裏地が省かれているため軽やかな着心地で、スリムフィットのフラットフロント・トラウザーズ(ネイビーやライトブルー)がセットになっている。自然でカジュアルなフィット感があり、本誌のオンラインショップで販売している他のアイテム(ハーフジレやトレーナー、ポロシャツなど)との相性もいい。このスーツは実用性にも優れている。これまでにご紹介した特性に加えて、吸湿性も高いため、寒いときや暑いときも体温調節がしやすく、蒸し暑い日でも肌はさらさらだ。

 

 

 

 

 このスーツは仕事や遊びで世界を飛び回る人にもおすすめだ。洗濯方法(専用のケースに入れる→洗濯機の回転数を400回以下に設定する→30度の水温で洗濯する→「日光をあてるな」というサルトリのアドバイスに従って、絞らずに一晩干す)をきちんと守れば、移動の多い人にとってはまさに人生を変えるような買い物になる。

 

 もしかすると、このスーツは1959年に公開されたヒッチコックのスリラー映画『北北西に進路を取れ』をイメージしたのかもしれない。ケーリー・グラントが演じる主人公は、さまざまな災難に巻き込まれながら逃げ回るのに、農薬散布用飛行機に追いかけられているときさえスマートに見える。

 

 

 

 

 もっとも、このコレクションは世界を飛び回る人だけのものではない。サルトリが率いるエルメネジルド ゼニアのメンバーは、フランネルスーツや上記でご紹介したアイテムが当初想定していたよりもはるかに広い層に訴求することに気づいた。

 

「この商品はもともと、テーラーリングを好む人/若者/移動の多い人をターゲットにしていましたが、顧客層がもっと幅広いことに気づきました。冬ならフランネル、夏ならポプリンで美しく仕立てられたスーツは、世の中の多くの人から求められているのです」

 

 こうしたハイテク素材はいろいろな点で、常に一歩先を行こうとするエルメネジルド ゼニア(なにしろ、1991年には早くも中国に進出していたほどのブランドだ)の新たな取り組みにふさわしい。同ブランドが垂直統合によってメンズウェアの新境地を開拓していることも雄弁に物語っている。

 

「私たちは原材料から店頭の最終製品まで、ゼニアのトータルなサプライチェーンについてよく話します」とサルトリは言う。

 

「うちはオペレーションやサプライをオープンにするブランドなのです。原材料から最終顧客までクリエイティブなチェーンを構築するというコンセプトを展開したいですね。アパレルに使用する繊維を自社開発するブランドはゼニアだけです」

 

 同社のジルド・ゼニアCEOによれば、エルメネジルド ゼニアの熱心なファンは自分のワードローブにあるスーツの出所がはっきりしていることを好み、ウールを調達している牧場や製織工程で使用しているエネルギーの発電方法、利用している水源(創業の地トリヴェロに近い緑豊かな谷)まで知りたがるそうだ。

 

 

 

 ちなみに、こうした情報に価値を置く通な顧客は、サルトリ自身がエルメネジルド ゼニアの工場があるビエラの出身であることを知ると笑顔になるらしい。

 

 同ブランドが高い環境意識に裏打ちされた活動を推進できるのも、この垂直統合のおかげだ。サステナビリティに関するエルメネジルド ゼニアの取り組みは多岐にわたる。日常業務で使用する電力のほとんどはソーラーパネルと2つの水力発電所から調達。オーストラリアにある6,300エーカーの農場を新たに購入し、トリヴェロから世界まで随所で掲げる「Sheep to Shop(羊から店まで)」というスローガンを追求している。

 

 イノベーションを追い求めて、環境に悪い手法を用いるブランドが多いなかで、自社の生産施設を持つエルメネジルド ゼニアは、持続可能なオペレーションへの思いを営業上の見せかけではなく本当に実現できる。「当社のオアジ カシミアは、ピエモンテ州にある自然保護地区“オアジ ゼニア”とその周辺で採取した花や種、葉の天然色素で繊維の奥まで染色しています」とサルトリは言う。

 

 

 

「当社の商品には化学薬品を一切使用していませんが、これは技術的には非常に難しいのです。しかし誰もが環境意識を持つべきです。オーストラリアのニューサウスウェールズ州にある当社のウール工場でも、土壌や環境、羊の生育条件などに細心の注意を払っています」

 

 ジー ゼニアのTechmerino Wash & Goコレクションは化学洗剤で洗う必要のないメンズウェアを生み出すことで、環境保護の面でも新たな革命を起こした。洗濯機で洗ってもシワにならない新しいスーツを着て、ドライクリーニング店を通り過ぎるたびに、きっと笑みがこぼれるだろう。

 

<ご購入はこちらから>

 

←戻る